夢のような時間の終わり

☆彡


 デート中、またしても、あの男たちに出会ってしまう。

 しかし、話していたことがあった。それを実行する時である。


「先に警察に電話してくれ。あいつらを捕まえるから、つらいかもしれないけど、君の為でもある」


 男たちに囲まれる。なぜこの人たちがこれほどの敵意を向けてくるのか。


「お前が卑怯者だからだ。逃げ続けて、お金を返せよ泥棒!」

「返せって?お前たちから借りた覚えはないぞ。言いがかりはやめろ」


 時間を何とか稼ぐ。この集団を何とかしなければ次はない。こいつらを何とかするのは、翠夢も、瑠璃も望んだことであった。


 限界を感じた頃、先に電話してきた警察がこの場所を見つけた。走り始めているのを見かける。

「あ…あれは…」

「なんだてめぇは?あれってなんだよ!」


☆彡


 瑠璃は、走っている者を見た。これが、警察の能力だ。

 今回の作戦は、2人がピンチに追い込まれることが確定したら、先に警察を呼んでおく。その間、抵抗し続けている間に警察が来るので、これによって近くに寄らなくなるはず、というものだった。


「瑠璃、逃げろ。警察の方へ。後で迎えに行ければいいな」

「はい。何とか生きて…」

「はあ…はぁ…これでもう逃げられないぞ」

「ああ!あああああ!ふざけんな!ふじゃけるな!」

 とうとう逃げられなくなった不良男たち。今までのことを謝ることはなく、顔面蒼白で恐れるのみ。集団のうち、2人は我を失い、逃げ出した。もし余罪があるとするなら、それらも詰められると考えたのかもしれない。それも自業自得だろう。


☆彡


 しかし…残りの1人は逃げていなかった。それどころか、存在する意味がないと叫び続け、他人の力を借りた翠夢を罵倒した。

「てめぇは卑怯者だ!殺してやる!どこまでも他人のせいにしやがって!てめぇは生きてちゃいけないんだ!おおおおおおおぉらぁ!」


 すると、隠し持っていたのか、ナイフを持って走ってきた。抜け出した恋人の瑠璃に襲い掛かろうとして追いかけてきた。


「待て!」

 翠夢は、既に体力が限界近い状態だったが、早く動いて止めなければ…という意識だけで動いていた。何とか止めるため。しかし、うまく止められない。突撃しようとしている不良は、追い込まれて足が相当遅くなっている。にもかかわらず、止められない。


 瑠璃の近くまで来てしまう。不良の1人はナイフを持って急所を狙って突き刺してきた。不良に何とか追いついたが、結局止めることはできない。そんな力がどこに…

「てめぇだけは絶対殺してやる!うぉおおおらああ!」

「う…うぁあああああ!助けて…!」

 

「(だめだ…これしか手はない…)」


☆彡


 そこに、翠夢は、かばうように瑠璃をどけて、身をかばうようにして、殺意極めた攻撃を、止めた。その、攻撃は…



「…んっ…けおっけほっ…!」

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