陰キャに文化祭なんて必要ない
「よーし皆ぁ、今から文化祭の出し物について決めていくぞぉ」
「俺メイドカフェがいい!」「私はお化け屋敷がいいな」「普通の喫茶店でいいだろっ」
そんな会話が教室内で話されている。僕はというと…ただ一人でずっと外を見ておりました!
「あ!あの鳥可愛い」と一人で外の様子を楽しんでいました!
すみません話に参加しないようなボッチで
文化祭なんて僕のようなボッチにとって陽キャたちがただひたすら楽しむ陽キャのためのイベントにしか感じない。だから陽キャたちが文化祭の内容を決めていけばいい、そう思ったので一人で外の様子を楽しんでいました
「むなしくなるんじゃない?」そんなことを言われるかもしれないが僕はこれで満足している
一人の時間を確保できているためだ
「おいみんな、一応これはクラスでの出し物なんだからみんなで話し合って決めることだぞぉ」
「「「はーい」」」
いらないことを言いやがってあの担任め‼
まあ担任があんなことを言うとみんなに意見を取ろうとしてくる
「お前は何やりたいの?」「あなたは何かやりたい出し物はある?」
そんなことを言われても陽キャたちは僕のような陰キャから見ると眩しい
にこにことした顔でそう聞かれるので言いづらい雰囲気になる(個人的な感想)
「じゃあこのクラスの出し物は喫茶店に決まりました!
そうして長かった地獄の時間も過ぎていき…と思っていたのだが次は出し物が決まったところでの準備期間何をするか、詳しく言うと役割分担だ。装飾や調理係、買い出しに接客の役割を決めるという
地獄の時間がまたやってきた。僕にとっては無限地獄にいるような気分だった
陽キャたちが盛り上がっている中、僕はまた外の様子を見てひとり楽しんでいた。
ここまで一人ぼっちで外の様子を眺めていると少しだけ本当に少しだけさみしくなる
誰かと一緒に外を見ていたい。そう願ったら願ってしまったら花見がとことこやってきて僕の前の席に座ってきた。
「何一人で外を眺めているのよ?」
「別にいいだろ、僕は彼らの話に入れるような人じゃないんだから」
「じゃあいっしょになにかしよ」
「なんだよ」
「え?いいじゃないただ一人ぼっちで外を眺めて楽しんでいたんでしょ?」
「…なんでわかった」
「なんでってだって相崎さっきから一人で外を眺めてはニヤついていたわよ」
そんなに顔に出ていたのか、と少し恥ずかしくなった
「だから一緒にこの話が終わるまで外を眺めてあげようかなぁっておもってね」
「勝手にしろっ」
そう言ったらなぜか椅子の向きを変え僕と向かいあわせにしてきた
「???」
僕が疑問の色を見せていると
「なんでそんなに嫌なの?」
「嫌とは言ってないだろう、なぜ向かい合わせにする必要があるんだと思っているんだ」
「なんでって相崎の顔がちゃんと見たいからに決まっているでしょ」
「何も決まっていないそんなこと。まずなんで僕の顔が見たい?」
「なんでってねぇ見たいからじゃん」
「質問の答えになっていない」
「別にいいじゃん減るもんじゃないでしょ」
「それはそうだけど…」
「じゃあいいじゃない向かい合わせにしているとお互いの顔が良く見えるし、お話ししやすいよ」
「僕はあんたと話したいわけじゃない」
「そう、別にいいわでも詰まんないなと思ったら遠慮しないで」
「何に遠慮をするんだ」
「なんでもいいじゃない」
そう言って僕たちはクラスの中主に陽キャたちどもの話が終わるまで外を眺めていた。
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