攻めてくる彼女と避ける僕
花見の配信を見て次の日からの彼女の行動はすこし大胆になった気がした。
「相崎、なんで昨日の配信見てくれたの?」
え?っと思ってしまった
彼女が見ろといったから配信を見たというのに何で配信を見たかを聞かれたからだ
「なんでってお前が配信見ろって言ったんだろ。じゃなきゃ見ないわ」
「約束は守る男だったんだね」
「お前は今まで僕をどんな人だと思ってきたんだよ」
「私のイラストを描いてくれた人、好きな人、かなぁ」
花見はなんてすごいやつなんだと思ってしまった
イラストを描いてくれた、だから僕のことを好きになったとでも言わんばかりの言葉だったからだ
「僕を好きになるんだったらなちゃんと理由もつけないとな」
「でも付き合う気はないんでしょ?」
「ああそうだ」
「ならさ、理由なんていらなくない?これからもっと相崎のことを知っていけばいいと思うし」
「おまえなぁ、理由もなく異性を好きになるなんて聞いたことがないぞ」
あきれたようにそう言って教室へと入っていった
それから彼女は授業後に
「相崎、今日暇してる?なんか話そうよ」
などの僕に絡んで来ようとしてきた
「、、、、いやだ」
花見と絡んでいると僕は何か知らないが疲労感がやってくる
今回も疲れるだろうなと思って断った。だが
「じゃあ聞いてるだけでいいから、私の話に付き合って」
絡む時点で嫌なのに何なんだこの女はしつこく寄ってきた
「いやだ」
そう言い返すと
「ふーん、じゃあ相崎がイラストレーターやってるってみんなにばらしてもいいのかな?」
「卑怯なことをするな。」
「さあどうする?私と話すか、それとも私と話すのを断ってみんなに相崎がイラストレーターやってるって言い広められるか。」
「脅そうとするな、、、わかったよ話に付き合うから言い広めるな」
「やった。私の勝ち」
「何に勝ったんだ?」
「なんでもいいでしょ」
「はいはい」
僕は花見の脅しに負け、話に付き合うことにした
そこから僕はほとんど一言も声を出していない
ずっと俯きながらぼーっとしているような無駄な時間を過ごした
放課後になっても彼女の話に付き合えと言われ一方的な会話を聞いていた
「ちょっと相崎、そこまで返事がないと何かへこむんですけど」
「聞いてるだけでいいって言ったのはお前だろ」
「まあそうだけど、少しは相槌とか返事とかなんかしてよ。寂しい気持ちになる」
「配信では一人でずっと話せるのにな」
「配信は視聴者がいるからずっと話せるんだよ」
返事のない会話と声のない視聴者との会話は同じような気がしたが
それは黙ることが一番だろうと思っていうことはなかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます