第3話


この世界はきっと

どす黒い赤にまみれている


抜けるような空の青も

どこまでも深い海の青も

いずれは止まることない血に染められる


それなのにたくさんの色を望むのは

愚かな僕たちの本能

花のピンク、草の緑、太陽の黄色、雪の白、

あまりにもまぶしくてイヤになる


この世界はきっと

どす黒い赤にまみれている


やわらかく微笑むキミのほっぺたも

そっと握った手の温かさも

みんなみんな、もうこの赤から逃げられないんだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る