人類が銀河へ進出した未来。とある星系で最大の宇宙商船団を経営するユヴェンハザ家に生まれたユハナスは、十五歳になった日に家訓によって独立を命じられる。宇宙船一隻とナビゲーションドールのイデスを与えられたユハナスは、商人として身を立てるため、銀河の大海原へと旅立つ。
主人公のユハナスはお金持ちの家でぬくぬくと育ったお坊ちゃん。労働の苦労も知らない穀潰しですが、口の上手さや人の扱いはなかなかのもの。
ひょんなことから出会った人々を口説き落として船のクルーに迎え入れ、周囲の意見にも素直に耳を傾ける余裕もある。宇宙海賊に襲われたらアジトまで潜伏して一網打尽にしたりと、ピンチのなかで見せる意外な度胸も目を見張ります。
ときおり遭遇するアクシデントや労働の辛さに愚痴や泣き言をもらしながらも、ほんの1、2年で外食チェーン店を経営するまでに成り上がっていく手腕は大商人としての素質を感じさせずにはいられません。
若くして一端の成功をおさめたユハナスですが、消えた仲間を追いかけ、さらなる人類未踏の冒険へと挑みます。ただのお坊ちゃんが銀河を駆ける大商人へと成長していく壮大な銀河SFビジネス小説です。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲 優詩)
SFですが、まったく小難しいやつではありません!
15歳の少年『ユハナス』が宇宙商船『リジョリア・イデス号』を与えられ、一人(?)宇宙へ飛び立つ物語。
冒頭、リジョリア・イデス号に乗っている人間はユハナス一人なのだが、船の基幹システムAIが生体を持った『ナビゲーションドール』である美少女が一緒なので、実質二人旅である。
旅の途中、商売のために立ち寄った星で出会った人、宇宙空間で遭遇した宇宙海賊と戦って助けた人・・・などを仲間にしていくので、旅はすぐににぎやかになる。
色々な星に立ち寄るので、旅や冒険の醍醐味が味わえます。
またずっと宇宙船の中にいるわけではなく、本拠地になる星も出てきますよ。
個性的な仲間たち、時々手に汗握るバトル、そして商売で豊かになる!――楽しい要素が詰まった本作、ぜひ気軽に読み始めてみてください!