ゴロダンとのお別れ

司忍

第2話

するとゴンは山のふもとで来ると言いました。[この山の上にゴロダンのすみかがあるワン。どうやら、そこに帰ったワン。]

[えぇっ!そんなところ行きたくないよ!!] [じゃあ帰るワン?リーザが食べられちゃうワン] [そんな!そんなのだめだよ!] [それなら行くワン!だいじょうぶ、オイラがついて行くワン]   ジャーノとゴンは、山道を一生懸命歩いて、ゴロダンのすみかまでやってきました。そこには、雲までとどきそうな、とても大きくて高い木があり、その根もとにゴロダンが寝ています。 


[グゴーーッグゴーーッ]まにあったワン!ゴロダンは日がしずむ前に、ごはんを食べるワン!お姉ちゃんはまだぶじだワン! [で、でも、お姉ちゃんはどこにいるんだろう・・・・] さっと、この木のてっぺんだワン。そこが食べたものをおいておく場所なんだワン。ゴロダンをおこさないように、ソーーッと近づいて、あの木にのぼるワン  [えぇっ!ボクが?いやだよう!]だいじょうぶ、オイラもいっしょだワン!


ジャーノとゴンは、巨人の横をとおりぬけて、木にのぼりはじめました。 [いいちょうしだワン!]ゴン、てっぺんが見えないよう・・・。ふと下を見だジャーノは、あまりの高さにガクガクとふるえだしました。 [もう・・・むりだ・・・やっぱり、ボクにはむりだよう・・・]ジャーノは木にしがみついたまま、こわさで動けなくなってしまった。


その時です。[ドロボウだローーん!!]見ると、目をさましたゴロダンが木につかまり、こちらへ登ってこようとしています。 [ジャーノ!先に行くワン!オイラは、犬だから木のぼりがへただワン]ボクだってつかまっちゃうよ!  [いいか!木のてっぺんに赤い花が咲いているワン。それは、魔法の花だワン!その花を胸にあててればなんでも願いがかなうワン!それで、ゴロダンをたいじするワン!!] [ダロロローーーン!] ゴロダンが、ぐんぐんと近づいてきます。 [ジャーノ!!行くワン!!] [ひーーーーっ1!] 


すると、ジャーノは泣きながらひっしにてっぺんまでのぼりました。すると、そこには大きな鳥かごに入れられたリーザがいました。 [ジャーノ!!] リーザは、ジャーノが一人でここまで来たことにおどろいています。 [お姉ちゃん!今、たすけるからね!!]ジャーノは、鳥かごのわきに咲く赤い花を見つけるとそれを、胸にあててさけびました。 [ゴロダンなんてきえてしまえーーー!?]


するとーーー


そこに、羽根を広げて空にういたゴロダンが現れました。[えぇーーっ!どうして!?]おびえるジャへのにゴロダンはやさしくほほ笑みました。オデは、森の戦士ゴロダン。リーザの涙はきれいだったロン。だから巨木の森たすむんからリーザの願いをかなえにやってきたロン。 [そして、その願いはもうかなったワン]


なんとゴんがゴロダンの肩に乗っています。[えぇっ!?]ジャーノは、なんのことだがわかりません。でも、リーザの目には涙があふれています。 [えぇ。ありがとう。わたしの願いはかなったわ]。 


リーザは、わかったのです。ゴロダンとゴンがリーザの願いをかなえてくれたことを。  [ジャーノ、その赤い花のほんとうの名前は勇気の花だワン。ここまでのぼってこられた勇気は、すごいワン] ゴンは、ジャーノにやさしい声で言いました。 [オメの村でこの花を手に入れた者はだれもいないロン!ジャーノ!オメは村一番の勇者だロン]そう言うと、ゴロダンはジャーノの頭をなでました。


今日は、リーザのたび立ちの日ですーー。ジャーノは、勇気の花をリーザにさしだしました。 [お姉ちゃん、これ・・・]手の中のその花はもうかれていました。


しかし、リーザを見上げたジャーノの目は強くかがやいています。でもボクはもうだいじょうぶ!いじめっ子たちに負けないから!! リーザは、やさしくほほえみました。 [そうね。だいじょうぶだね。ジャーノの心に咲いた勇気の花は、かれたりしないから] 


リーザは、たびだっていきました。

ジャーノは、いつまでも見送っています。

そんなふたりを、ゴロダンとゴンは

笑顔をうかべて見守っていましたーーーー。

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