言葉の行方

@mohoumono

第1話 言葉はどこにいくのだろうか


言葉はどこに行くのだろうか


発した言葉は、声になって

受話器がある場所なら

何処へでも行けるのだろう


けれど、

発しなかった言葉は、どこに行くのだろうか

受話器がある場所の何処かなんだろうか

きっとそのどれでもないんだろう


なら、心だろうか


そう言えば、詩的で聞こえは良く

多少は清々しい気持ちになれるのだろうけれどきっと違う

なら、どこだろうか


きっと喉だ


喉に言葉は、溜まっていくのだ


嫌だが言えなくなって

次第には、自分の意見を言えなくなって

挙げ句の果てには、

こんにちはだとか、ありがとうだとかさえ

言えなくなっていくのだ


なら、我慢せずに全ての言葉を

相手を思いやることさえせず声にすることが

良いこととなるのだろうか

きっとそれも違う。


ならどうすれば良いのだろうか


だから人は泣くのだろう


声にしない言葉を言葉にしない声にするため

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