Vtuberには同時視聴という文化がある。

これはとなりの宮川さんが人気Vtuberになるための会話の特訓をする話。



無口な宮川さんと話せる時間。それは朝の教室で二人きりのときだけ。僕は今日も宮川さんと話すために早めに家をでる。



教室につくといつものように宮川さんは本を読んでいる。「おはよう」そう挨拶するがいつものように彼女から返事はない。。



僕が小説を読んでいると。彼女が話しかけてきた。


「ねえ。Vtuberの同時視聴の動画見たことある?」


「あるよ。たまに好きなアニメや映画の同時視聴の動画をみたりするよ」


「あれって私にぴったりだと思うのよ。しゃべらなくてもいいわけでしょ」


「だめだよ!あれって別の端末で映像を再生するから、実際の配信では画面に表示されているよく分からない時間が進んでいくだけだよ!」


「それなら実際に映像を流せばいいんじゃないの?キャプチャーとかして」


「だめに決まってるよ!僕は宮川さんを数少ない犯罪者系Vtuberにするつもりはないよ!」


「そんなにおおごとだったのね。ごめんなさい。反省するわ」


「前から思っていたけど宮川さんって結構適当だよね」


「何を言っているの?私ほど丁寧な人間はいないわ。配信での挨拶だって「こんにちは宮川です」って丁寧に挨拶してるもの」


「そこは丁寧にしたらだめな部分だよ!Vtuberの最も恐れる身バレに直結しちゃうよ」


「なによ。この前はこんばんきーつねだめっていったくせに」


「それとこれとは別問題だよ!後で挨拶のところは編集でカットしたほうがいいよ!」


「わかったわよ。というか同時視聴のはなしよ。何かおススメのやつとかある?」


「そうだなー。やっぱりメジャーなところで「ワンピイス」とかいいんじゃないかな?」


「ああー。あの「のびのびの実」を食べてのびる人間になったチョッパーが大剣豪を目指す話でしょ?」


「全然違うよ!チョッパーが一人3役してるよ!過労死しちゃうよ!」


「私ワンピイスとかあまり知らないのよねー」


「宮川さんは好きな漫画とかあるの?」


「ドラ〇もんとか」


「他には?」


「ちび〇子ちゃんとか」


「他には?」


「北斗〇拳とか」


「最後にまさかの北斗〇拳だったよ!サザえさんだと思っていた自分が恥ずかしいよ!あとやっぱりうちのおばあちゃんとセンスが同じだよ!」


「もー。結局どうすればいいのよ?」


「うーん。その中だったら北斗〇拳が意外性があっていいんじゃないかなー。ちなみにどのくらいまで分かるの?」


「「お前はもうくたばっている」」


「微妙に違うよ!」


宮川さんとの特訓は続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る