夢のお話

ハッピーディストピア!

3人の親友

 気づけば俺は、ソファーに囲まれているテーブル、その真横に立っていた。ここはそう、我が家だ。見渡さなくてもわかった。しかし先程までベッドで横になっていたはずなのに、何故ここに立っているのかという疑問などは頭には思い浮かばなかった。


 そして俺の隣には2人の男が立っている。顔は何故か認識することができていなかったがそこでも疑問は浮かばない。ただ、親友ということだけはわかった。


 そして目の前には怪物、というか恐竜がいた。ラプトルっぽいやつ。敵意とかそういうのは確認せずとも俺たちを餌としか認識できていないやつだというのはわかった。口元から滴る唾液がその答えだ。


 全員走り出す。家の中なら逃げ場は限られている。取り敢えず、2階に上がり自分の部屋に入った。扉をとっとと閉めようとしたが、どうやら遅かったらしく、やつの指が見える。


 「あー終わった!死んだわこれ!」


 思わず絶望した。しかし、友は別の心配をしている顔だった。


 「…■■■、そこを開けてくれ。あいつがいない、助けなきゃ。」


 1人足りていないのはわかっている。しかし今恐竜が狙っているのはゴリゴリに俺たちだ。開けたら友を助ける前に死ぬやんだが?!


 「まじで言ってんの?!確かに今ギリ抑えきれてないけど!開けたら開けたであっさり喰われますけど?!」


 すんごいことを言う友に正気かどうか疑いながら聞く。


 「大丈夫だ、問題ない。」


 その言葉はすごく聞き覚えがあったし嫌な予感がかなりしたがここは友を信じることにした。


 「いくぞ?!開けるぞ?!開けるからな?!どうなっても知らんからな?!」


 そう言って扉を思いっきり開く。ちなみに扉の右には壁があるので俺は今挟まれていることになるのだがそんな事はどうでもよかった。その時は、視界に映るとんでもない光景に頭がいっぱいだった。


 「くたばれ。」


 そこには何故かグラサンをかけながらマシンガン担ぐ友がいた。それどっから出したのとクエスチョンマークで埋め尽くされたが、蜂の巣にされた恐竜はなんとしにはせずそのまま逃げてった。丈夫すぎて怖くなったが取り敢えずもう1人の友を探した。


 「俺ここ〜。」


 声がするのはトイレの方。律儀に鍵までかけているが、それそのまま突破されんじゃないとも思った。俺の力よりちょっと強いだけのやつが無理に決まってんだろとは後で気がついたことだ。自慢じゃないんだけど俺の体は周りと比べるとかなり貧弱だ。


 まあ、そんなこんなで家も危ないねーということで外に出た。そしてそこには小さい赤い箱にタイヤとテントを張ったものがあり、そこからどう考えても入りきらないはずのおっさんが出てきた。


 「入りな。」


 そう言ってまた戻っていくが、俺たち3人は無理じゃね?とか思いながら取り敢えず入ることにした。そしてまさかの入れちゃった。


 魔法世界?そんな事を考えながらも運転するおっさんを眺めていた。


 「着いたぞ。」


 見覚えのある道を眺めながらぼーっとしているとおっさんがそう言った。


 取り敢えず出ると空は夕焼けだった。夜となれば確実に危険だろう。


 「お泊まりはだめな感じなのね。」


 「えっ?移動だけ?しかもここまでなら別に歩いて来れたよ?」


 ここは村のど真ん中。そうかかる距離じゃない。


 「…どうする?」


 「さぁ?」


 「取り敢えず歩こうぜ。」


 そして3人は歩き出した。まずは安全な寝床かな?そう考えていると、

 

 『じりりりり!!!』


 爆音で起きた。ここはベッド、ここは、自分の部屋。…取り敢えず安堵した俺はアラームを消してただ寝した。

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