第16話納豆パスタ




ある日事務所

益田「おい萩!!お前今なんタコだよ!」


萩「3タコです、、」

益田「お前、3タコから人権ねぇぞ、、見込みは?!見せろアポあるか!?何の為に上京したんだ!根性見せろや!」


かなり詰められてる

身の危険感じるくらいの剣幕だ

少しビビる拓矢


萩「あの、、明後日の土曜の朝目黒区小山台の飛び込みで手紙送ってある00さんアポ午前9時にあります、、、」


益田「おし!!俺に繋げば必ず決める」



ふと思い出す拓矢

拓矢(目黒区小山台って確かその時俺も一緒にいたよな、、もしかしてあのいらねぇよって返してて、土日は自宅にいますかの確認だけした人なんじゃね?、、しかもあの怪しい手紙の後)

拓矢「あのそのアポ」

無駄アポになると止めようとしたが久山から肩を叩かれた


久山「いいんだ、あいつは別格なんだ」



それから2週間後


益田「えー報告がある、萩の目黒区小山台のお客様契約、月内決済予定、おめでとう!!萩!」



拓矢「へ、、、ちょっと待てよどうなったらそうなんだよ、、」


益田「少し早いけど報奨金だ」

札束が出てくる厚さから100万近い金額だ。

萩の頬を優しく札束でビンタする益田

萩「いやー嬉しいです」


益田「今夜は蟹でも食べに行くか久山空いてるか?」


久山「あぁいいぜ拓矢留守番頼む、適当に事

務所にあるカップ麺食っていいから」



事務所に一人残る拓矢

聞くと

最初は何ですかと来たらしいが玄関先で益田

は画板だけで説明し再訪の予定を取り付け、その後契約したらしい。魔法みたいだ


拓矢「あー食欲わかねぇし、やる気起きねぇ、なんであんな冴えないおっさんが売れるんだよ」


拓矢は詰められない

フルコミッションだし久山の管轄という体だからだ

ただフルコミッションだからこそ貯金もどんどん減っていくし焦る

札束を見て悔しかった。


(営業は人種、国籍、身長、体格関係無くその他諸々才能とか重視の世界じゃなく努力の割合がでかいんだよ)


久山の言葉が蘇る


誰もいない事務所で叫ぶ拓矢

「俺だって努力してるぜ!畜生!!」


その時

久山が帰ってきた

拓矢「あれ今日早いですね」

久山「益田は裏スロに行ったよ、いやー蟹美味かったなー横にしか歩けなくなるぜ」

蟹のモノマネをする久山


久山「なんだカップ麺食ってないのか?エリートほど挫折に脆いって聞くからなーしょげちゃってんのか?27才の身空で」


相変わらず人の感に触る所を突いてくる

そっけなく

拓矢「いや別に」


久山「益田は新大久保の雑居ビルの事務所から営業成績を出しまくってスクエニの前のビルのオフィスに構えられるくらいに会社を成長させた男だからな、どんなクソアポでも繋げば決まる、益田を信じてなんとか繋いだ萩さんの執念勝ちだ、腹減ってるか?」


拓矢「えぇ、まぁ」


キッチンに立つ


フライパンでパスタを茹でる

茹で上げた後

フライパンに醤油、デスソース少量、ニンニク、ネギを混ぜたものを空け弱火で温める

そして茹でたパスタ投入

きつね色になるくらいに醤油を調整しながら炒める

皿に空けて

かき混ぜた納豆と卵をかけて


久山「ほれ出来上がりだ納豆パスタだ」


拓矢「有難うございます」


食べる拓矢

ん、、旨い、、!!


久山「原価は100円もいかない、俺が独立したての頃は毎日の様に食べてた下積みパスタだ」


拓矢「旨いですね、味噌汁に合うし、レシピ教えてください」


久山「いいぜ、ただ1つ心に誓え」


拓矢「なんですか?」



「お前が売れないのはプライド高いから本当の意味で人を信用してないからだ、人を信用出来ない者はとどのつまり自分自身も信用出来ないのさ」







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