第5話世界によっての常識



拓矢はバイトを終えて家路に着き、シェアハウスのベッドに横たわり1人考えていた。


あれからチンピラ達から連絡は無い

同級生の高宮と大濠からは連絡があり、警察は呼んだが着いたときには居なかったと



こんな嘘より殴られるのが怖くて逃げたの方がまだマシだ。


ただ考えると大濠も高宮も大手の会社に勤めて3年になる、失う物は積み上げる事を放棄した拓矢より圧倒的多い、バイトはクビになってもすぐ見つかる


恐らく「そう」考えて切り捨てたんだろう。


一言了解有難うとだけラインを返した。


(お前が世間や人を舐めてるから周りもお前の事を舐めてんだよ)


言われる通りかも知れない

なんだかんだで嫌いな人種の不良の久山に助けられ、お礼を言葉と缶コーヒーだけで済まそうとしたから吐いたセリフだろう久山も


あー何もかも上手く行かない

どうすれば人に尊敬されたり金持ちになれるんだろう。

とシェアハウスのベッドで横になっていたら


いわき「おい阿武ここに物置くなっつったろ?」


阿武「あ、すいません」



ここのシェアは管理する人とかいないみたいだな久山は来ないみたいだし。


阿武さんはすごくいい人だけど恐らく久山とそう年齢は変わらんくらいのいわきさんはきらいだった。他の人は特には我関せず


時々電話してるが久山にはゴマすって20代の若い人に偉そうにしてる。


ん、、、管理とかすると家賃安くなるむしろ無料になるんじゃね?


そう閃いた拓矢


久山に電話する


拓矢「この前はクソお世話になりました、あの管理とがどうしてます?」


久山「お疲れ、各自自己責任だな」


拓矢「管理人とか募集してないですよね?俺久山さんの役に立ちたいんです」


笑いながら久山「どうせ風俗やパチンコで金溶かしたから家賃安くなんねーかなとか思ったんだろ、いいよ半額にすっからやってみなよ」


それで電話は切れた、そして確認したあと半額の家賃を振り込んだ。


3日が経ったが特に変化は無かったし特段普通に生活してたが


いわき「おい阿武てめぇ舐めてんのかよ!殺すぞこのやろう!」


阿武「いや流石に毎回勘弁して下さいよ」


喧嘩が始まった

阿武さんが珍しく強気な対応に出ると体格が正直いわきの方が歩が悪いからかいわきは電話を取り出しどこかにかけた。


そうするといわきがこっちに来た


いわき「お前なんか久山さんから聞いたけど家賃半額で管理自分から引き受けたのかよ?」


よく見るとシンナー吸ってたからか歯が3本無い


拓矢「はいそうですけど」


いわき「阿武にもキレたけどよ、お前掃除してんのかよ」


拓矢「いわきさんも結構汚したりしてんじゃないですか?」

その時胸ぐら掴まれ2段ベッドのパイプに叩きつけられた


いわき「お前俺に指図すんのかよ?掃除した時見たことねーぞ?俺間違った事言ってるんすかね!久山さん!」


電話がスピーカーで繋がってて久山に聞こえてるみたいだ。


久山「まーまー暴力はやめましょいわきさん、拓矢が掃除してる所阿武君見たことある?」


ヤバい事件の報告のような感じで

阿武「いや、してるのかなしてないかな僕が見てるときは無かったです、はい」


久山「拓矢、いい機会だからがむしゃらに理不尽にやってみろ、開拓の矢と書いて拓矢だろ?じゃ切りますよいわきさん」



消えた久山


その後拓矢が掃除をして丸く収まった


甘く見てた、、


阿武「あのいわきさん前科あるし気をつけた方がいいよ」


どんなシェアハウスだよ、、ドラマと真逆だ


それから念入りに掃除をする拓矢

いわきから理不尽にあやつけられる事もしばしばだがそれに不満を感じてる普段話さない他の人から声をかけられるようになった。


元ホストアウトロー住人鵠沼

「最近いつも掃除してんね、有難う、あのいわきの野郎絡んできたら言ってよ」


拓矢「有難うございます」


普段話してなかった人とも話すようになったし、怖そうな人多いが職場以外の同年代の友人はいいなと拓矢は感じていた


そんな中1ヶ月後事件は起きた

いわきが夜酔って帰ってきた時だった


いわき「なめんなよおら!」

ローキックを喰らう拓矢


拓矢「うぅ、、すいません、でもいきなりなんですか?」


もう管理なんていい、喧嘩には負けるだろうけどやり返そうと思ったその時


強面長身な住民

東村山「色々見てたけどお前こそ調子乗り過ぎだろ年ちげーから黙ってたけど」


胸ぐらを掴むと宙にいわきは浮いていた

東村山が腹に少し一撃入れると床にうずくまった。



鵠沼「酔ってんなら酔い醒まししてやるよ」


熱々の熱湯を持ってくる鵠沼

元ホストクラブ働いてたらしいが整った顔が残酷性を引き立てて怖い


いわき「あちぃ!!」


躊躇なく熱湯をいわきにかけた。

余り話して無かったが絶対に敵に回したくない


鵠沼「携帯取り上げよう久山さんに電話されっと面倒だし」


阿武「了解」


なんだこのチームワークは、、

阿武「手が滑った」

いわきの首を締め上げる


止める鵠沼「それ以上いけないいけない落ちる」


住人の中で1番話しかけやすかったSMAPでいうと草彅的な阿武さんもやべぇ、、


事が済んだ後

東村山「しかし1ヶ月よく耐えたな見てていつやってやろうかと皆少し話してたんだよ」


拓矢「有難うございます!」


阿武「今夜は酒でも飲もう」


近所の公園で宴席が出来た。



飲んでて輪に入って拓矢は思った。

高校の同級生二人は自分たちの保身の為チンピラに絡まれ逃げたが

優等生タイプより

正直こういう人達の方が義理的なのが厚いんだなと進学校出身の拓矢は感じた。


怖かったからもあったが1ヶ月文句言わずやってよかった。

開拓の矢が一つ実った感じだった。


次の日久山に報告した。



笑いながら久山「あーまぁあの人色々毎日クレームうっさかったから丁度良かったよ、やられたくなかったら不良やるなって話よ、家賃の回収も頼むぞ拓矢」



拓矢の心の中

(こいつが1番クズだ)




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