第2話ビルも道路も世界も



1ヶ月が経った拓矢はスポーツ事務のインストラクターのバイトについていた。


場所は東京

池袋

マンションの一室に二段ベッドが5つ

家賃3万光熱費込み

10人が住めるこの部屋も慣れてきた。



「まともに働いて得る小銭じゃ人生は買えない」


この言葉が東京という街に染まってきたのか脳裏から常に離れない


(ビルも道路も世界も人思いに壊れてもいい)

一昔前に流行った不細工な歌の上手い関西人の女の曲を口ずさむ

もうおばさんの年齢だろう


そうビルも道路も世界も人思いに壊れてもいい


色々この家は20代が多いのだが、皆必死に生きてる。


ビットコインの詐欺にあい失敗した阿武さん

ヤクザに追われて来た元ホストの鵠沼さん

ただただ怖い長身でガタイのいい東村山さん

同じ福岡地元の度々捕まる信介さん

歯が何本か無いアウトロー話ばかりする30代いわきさん



the東京な環境だと思った。


拓矢の家は公務員家庭だった、市内の普通の家で暮らし普通に暮らしていた、だからこの環境は新鮮だった、親の反発で平凡な人生は嫌だと思い上京した。



「まとも働いて得る小銭じゃ人生は買えない」


久山から言われた言葉が蘇る


そうだこの家、家賃いくらだろう?

今8人くらい住んでるよな?


聞くところによるとここだけじゃなく他にも物件がいっぱいあるらしくたまにしか家主の久山は来ない。


確かにまともに働いて得る小銭じゃないな

わかりやすい。


サンシャインシティの50何階かにある無料で景色が見える所に時間がある時に行く


景色を眺めて

このビルだらけの風景だがあのマンション1つ持ってたら、、俺は、、

あそこの少し背の低いビルのたった一室の三万で1つのベッドを借りて住んでる拓矢はどうしたらこの街で勝てるんだろうと模索していた。


ビル1つ持ってるだけでもいくら収益があるんだろう?金の森に東京が見えてきた。


インストラクターのバイトは月に20万もいかない


職場の人はいい人ばかりだがこの街で優しさに甘えていたくはない


だから思う

「ビルも道路も世界も人思いに壊れてもいい」


だけど本当にお金がある人は一通りぶっ壊れた後でシェルターから金塊取り出して土地を買うんだろう。


その時電話が鳴った







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