第2話
〔diary〕
嫌な夢を見た。
お腹が痛い。と思ったら,誰かに殴られ続けていた。正確に言うと殴られ続けている自分を他人事のように眺めていた。怖かった。
無意識に,誰かに助けを求める。しかし,叫んでも誰も来なかった。
誰かの影が見える。何故か,その人は助けてくれるような気がした。が,やはりバツが悪そうにその場を立ち去っていった。
〔rabbit and horse〕
最悪だ。あいつが転校してきた。
「
「あいつ,むかつかない?」船橋が指す“あいつ”とは日野のことだ。まずい,と思った時にはそれはすでに始まっていた。
トイレに行こうと手を掛ける。少し開けたところで,中から呻き声が聞こえた。
助けに行かねばと思うも,裸で土下座させられた時の記憶を思い出し,それ以上動けなくなる。あの,屈辱心と羞恥心の入り乱れた,最悪の記憶だ。静かにその場を離れた。
そして,いつのまにか日野は学校に来なくなった。
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