【057】即興お題漫才闇鍋バトルその3
「はいどうもエンペラーです-」
「お願いしますー」
「わーお、べっぴんさんしかいてなーい」
「まことにそうでございますー」
「あのさ七条?」
「どうした鴨ちゃん?」
「俺ら売れるやろー」
「売れるなあ俺らは」
「売れたら俺、鍋焼きうどん専門店の大将やりたいー」
「わかるわー。売れたら鍋焼きうどん専門店の大将やるって……」
「「決まってんねん」」
「絶対素敵なお店やんー」
「せやろー」
「鴨ちゃんのお店どんな感じなのか、僕は見たスギ薬局」
「あら薬局」
「いらっしゃいませー。ポイント100万倍!」
「つけすぎー」
「やっちゃったー」
「ほな今から大将するわ」
「おにゃにょこで店いくわ」
「OK釈迦地蔵!」
「ズィーーーヤ!」
* * *
「はいどうもおにゃのこですー。右胸がKカァップ! 左胸がNカァップ! KN! 黒猫! いぇーいフーフーッ! ……っと店に着きましたと。これは念力でしか開かない変なドア。えいえいえい!」
「いらっしゃいませ」
「あら素敵な内装」
「どーん!」
「でかテーブル!」
「どんどんどん!」
「カウンターだけの店!」
「どどーん!」
「でっかい生け簀にピアスした河童おる! なんで!」
「お一人様こちらどうぞ」
「わあお客さんいっぱい! お客さんの多い店は良い店ですよねー。お客さんお客さんお客さん、ひとつとばしてモアイ像みたいな顔の忍者! 忍者がお忍びで食べに来るなんてどんだけ美味しいねん!」
「おまかせしかないですわ」
「鍋焼きうどんでおまかせだけ! 斬新!」
「うどん茹でるところからなんで少しお時間頂戴します」
「本格的やんー」
「腕のいいうどん職人は一人前180グラム、目を瞑っててもわかるんですわ」
「すごーい!」
「まあ見といてください……ごっっばあああ!」
「いや凄い量! マルチーズぐらいあるやん!」
「煮えたぎる湯の中にどーん! そしてミュージックスタート!」
「いやなんでー」
「こうしてうどんに歌を聴かせることでより美味しく仕上がるんですわ。ぐるぐるぐるー」
「ほんとだ! うどんが踊ってる! ってなんで選曲が筋肉少女帯の『日本印度化計画』なん!」
「お待たせしました鍋焼きうどんです」
「できたんかい!」
「打ち立て茹でたてのコシの強い讃岐うどんに、ホワイトソースを日本酒で伸ばした出汁を張ってうどんと軽く煮込み、上に豆腐とトロロとクリームチーズを乗せて白ごま振ってます。お好みでマヨ使ってください」
「全部白いっ! 空っぽか思たわ!」
「熱いうちにどうぞ」
「あれ? お箸はどこ?」
「そこの万年筆二本使ってもらって、お出汁はひしゃくでいったってください」
「カトラリーまで斬新! ってか食べづらー!」
「お代わり無限なんで永遠に食べ続けてもらってええですわ」
「飯テロの意味が変わってもうてるー! ちょっと待って鴨ちゃん、全然ちゃんとできてないやん」
「うん、もうええわ」
「もうええんかい! もうええんやったらもうええわ」
「「どうもありがとうございましたー」」
----------
(本文の文字数:1,187字)
(使用したお題:「永遠」「鍋焼きうどん」「ニンジャ」「河童」「黒猫」「うた」「日本酒」「モアイ像」「ひしゃく」《飯テロ要素の使用》「念力」「万年筆」「ピアス」)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます