第30話 アンブラル王国の状態

「あの王国はもはや勇者の意見が絶対的だ。君の弟2人も今は遠方にとばされているらしい。そして洗脳されているわけでもなく王は自分の意思で勇者の意見を全て絶対的なものにしている。勇者に逆らおうとするものがいればすぐに死刑にするらしいぞ」


 ギルドマスターは俺に今のアンブラル王国のことについて喋る。弟達は王国にいなくてよかった。あんな奴らのそばにいれば何をされるかわかったもんじゃないからな。


「正直中央都市から出て行ってくれたことは嬉しいがまさかまだ王国であぶらをうっているとは。いつ魔族が襲って来るかもわからんと言うのに」


 ギルドマスターはまた頭をかきながら言うと俺は


「それにしてもなんであんな女遊びばかりしているような男が勇者なんですか?」

「そんなことはただのギルドマスターの俺にはわからんさ。ただ勇者は特別な魔法が使えるらしい。後文献とかによれば勇者と言われるこは生まれる際母親の方の夢にあなたの生む子は勇者ですとお伝えに来るらしいぞ?本当かは知らないがね」


 ギルドマスターは皮肉気味に言った後


「ま、今のところアンブラル王国はこんな感じらしい。王の嫁もしばらくは帰って来ないらしいからしばらくは近づかない方がいいだろうな。奴らがうちに手を出してきたなら話は別だがね」

「そうですか。その時の対応はギルドマスターにお任せします。俺は国を追放された身ですのでアンブラル王国が弟2人がいないのであればどうなろうと関係ありません。最悪母がいれば王国は何度でも復活させられますから」

「ふ。そうか。わかった。こちらは引き続きアンブラル王国の動向を探っておくからお前は商業エリアの方を頼むぞ」


 俺はギルドマスターに言われた後ギルドマスター室をでてギルドの入り口にいたコープスと合流した。


「カスマ。終わりましたか?」

「うん。待たせてごめんねコープスさん」

「気にすることはありません。待つことには慣れていますから。ではすぐに商業エリアに向かいましょう」


 すぐって、え?ミナキには相談しなくていいのか?


「今回は私達だけでいきましょう。ミナキはまだ休ませた方がいい。私としてもまだ小さいあの子を戦わせるのは気が引ける」

「そう、ですね。じゃ今回は俺たちだけで」

「待つの!」


 俺とコープスが話あっている間にミナキがギルドの前にいて俺たち2人に近づいてくる。


「ミ、ミナキ。なんでここに?君は宿屋の手伝いじゃ」

「買い出しをしてたの。それで2人を見かけたから声をかけようとしたら2人して不気味な話をしていたの。危ないことをしに行くの?」

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