第20話 商業エリアへ 2

「俺に頼み?」


 こんな俺に頼み?依頼じゃなくてか?まぁ似たようなもんか。


「ああ。アンブラル第一王子、いやカスマ。あんたにうちの商業エリアを見てもらいたい。最近悪い話ばかり聞いてな。俺はこの調子でなかなか手を離せないから様子を見に行ってほしいんだ。それでどうにかできそうな店が有ればあんたの好きにしていい。あと黒い噂が本格的にあれば探ってきてほしい。このガイゼンのギルドマスターである俺だがかなり大問題になっている最近の黒い話は人攫い。もしこれに関する情報があれば探ってほしい。店を見回る程でいいからな」


 人攫い、か。何かの実験にでも使っているのか?


「すまないが頼めそうか?」

「はい。構いませんよ。でも俺は弱いので。そのー」

「ああ。コープスなら使ってくれて構わない。奴はこの前でかい仕事を終わらせてくれたからな。依頼的にはでかい依頼は今のところないんだ」


 ギルドマスターは俺に言った後に俺はギルドマスター室から出ようとすると


「あんたも大変だろうけど自暴自棄になったりするなよ。俺にできることなら出来るだけ協力するからさ」


 協力してくれるか。情報はほしい。王国はどうなろうがもはや知ったことじゃないが弟達は気になるからな。


「できるなら王国の状況とミース・アンブラル、コルグ・アンブラルについてどんな状況か調べておいてもらいたいが頼めるか?」

「ふむ。いいだろう。そのミースとコルグとやらは?」

「2人とも自慢の弟さ。ミースは政治関連や戦略に強い、コルグはコープスさんと似たようなもんだよ。魔法剣士さ」

「OK。了解だ。城の中を嗅ぎ分ければ2人についてわかるだろうから名前だけでいい」

「そうですか。なら頼みました」


 俺はアンブラル王国の状況と弟達の状況を調べることを頼みギルドマスター室から出た。

 ギルドマスター室からでて一階に降りるとコープスが受付嬢と話しながら待っていた。


「カスマ。話は終わりましたか?」

「うん。終わった。それで商業エリアの調査を頼まれたんだけど」


 俺はコープスを誘おうとするとコープスは


「もちろんついていきます。ついでにカスマの装備も整えましょう。今回の依頼の報酬もらいましたから」


 え?今回の依頼そんな大金もらえたっけ?


「今回の依頼とは別になるのですがギルドマスターが貴重な情報をくれてありがとうと貴重品をいただいたとのことで金貨を3枚ほどお渡しいたします」


 受付嬢が言うと俺は必死にもらうのを断る。俺は何もしてないのにそんな金貨なんてうけとれないよ。

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