第2話 平凡王子
平凡王子、父上が言う通り俺はアンブラル王国てばそう呼ばれている。父上には俺を含めあと2人息子がいる。1人は政治に強く、もう1人は剣術や魔法についてまんべんなくこなせる俺が唯一誇れる自慢の2人の弟だ。だが俺にはそんな取り柄といったものがなくどれもまぁまぁできるくらいのどこにでもいる平凡な男。王子という名目以外だと何もない。だからこそ皆俺を陰では平凡王子と呼び、後継者に俺を推すのはどうだろうかと言われていたくらいだ。
なぜ俺が後継者に選ばれやすいかというと俺が第一王子だからだ。第二王子、第三王子より権力だけは上である。父上もこれには困っていたらしい。本当は政治に強い弟を次の王にしたかったらしいが弟達は俺を王として推し、俺のことを支えるというからだ。
そして今このサラサの権、これを機に俺のことを国外追放にし、息子として扱うのをやめさえすれば次の王はあの2人のどちらかになる。だから父上にとって真実などどうでも良いのだろう。俺を追い出せればいいのだ。きっと俺は何を言っても通じない。だから
「・・・わかりました。ち、アンブラル王」
「ふむ。貴様のその察しの良い点だけは余は誉めてやっても良いと思っている。では今から部屋に行き置いてある服に着替えこの城から出ていけ」
・・・こんな人が俺の父親だったなんて。正直父上には見限られていることは分かっていた。何度も弟達の前で俺を罵倒していたからな。俺がこの城にそれでも住んでいた理由は弟達が心配だからだ。父の道具にされることを恐れていた。そして父も俺を理由もなく追い出せば世間体を気にするから急にそんなことをしようともしないはずだ、と思っていたが、まさかこの勇者パーティーのサラサって女がまさかこんなクズだったなんて。
サラサはないていたかと思えば俺が納得し王の間から出ようとしたときやつは俺をみて笑っていた。もう気持ちいいくらいの満面の笑みだ。こんな城にはもういられない。せめて弟達だけでも助けないと
「アンブラル王、あなたの息子の2人を」
「おい!衛兵!この平凡を早く城からつまみ出せ」
俺が抗議しようとすると事前に待機していたのか王の間にいた衛兵4人くらいが俺に詰め寄り俺を拘束し、王の間から連行した後に俺の衣服を乱暴に着替えさせ布の服を着せボコボコに俺の体をなぐる、蹴るなどの行為をし城の外に追い出したあと俺に泥水を大量にかけヘラヘラ笑いながら城へと戻っていった。
く、そ。弟達よ。いつか、お前ら2人を、助けに来るからな。
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