元天才科学者が歩む合理的で理性的な異世界錬成

ルカ・レシーアという科学者

第1話 ファーストレポート



 アナタは神を信じますか。


 と、尋ねられた科学者の内、信じていると答えた人数は全体の約四割程。そしてその逆も同程度だったという。


 じゃあ残りは、なんて考えるまでも無くどちらとも言えない、というもの。


 私が異世界で目が覚めた時。


 私がこの世界で初めて記録したものは、そんななんでもない哲学的な文言。


 何故こんなものを書いたか。


 それは勿論、本質的にはどんな世界も同じようなものだと分かったからだ。


 要するに。



 万物を理解全てを証明し終えていない癖に、神の存在を語りたがるような連中しかいないということである。


 まだ明かすべき未知が残っている。


 まだ淘汰すべき神秘が隠されている。


 まだ表せていない式が残っている。


 それなのに何故、彼らは神を語りたがるのか。


 でもそれを理解出来ない私じゃない。



 理解した上で⋯⋯。


 ああ、眠くなってきた。


 こんなレポート、先生に出したら怒られそう。


 まあいいかな。あとは明日の私に任せるとしよう。

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