隣の席の小野さんはヘンタイでした

桜井正宗

第1話 隣の席のヘンタイ女子

「大久保くん!?」


 教室に戻ると、隣の席の小野さんが俺の体操着のニオイをいでいた。なんてシーンを目撃してしまったんだ、俺は。


「小野さん、それ俺の……」

「こ、こ、こ、これは!! あれぇ~、どうして大久保くんの体操着持ってるんだろ~! あははは!」


 笑って誤魔化しているけど……バレバレだ。

 犯行現場をバッチリ目撃したし、未だにその手には俺の体操着が握られている。まさか、美少女に嗅がれるとは思わなかった。


 それ以来、小野さんはヘンタイ化した。


 俺のリコーダーを舐めていたり、いきなり抱きついてきたり、大きな胸を押し当ててきたり……。いつの間にか俺の消しゴムを食べていたり、上履きを奪っていたり、段々奇行も多くなっていた。


 この女子、ウルトラ奇行種ヘンタイなのかもしれない。


 だが、美少女にされると嬉しいというか、たまらんというか。そう、快感になっていたんだなぁ、これが!


 俺もだいぶヘンタイだな!

 というわけで、あれから一週間が経過した――。


 今日も教室へ向かうと小野さんは顔を赤くしていた。毎日赤いな。


 席につくと「パンツを机の中に入れておいたから」と小声で言ってきた。



「え……まじ?」



 この人、ヘンタイだあああああああああああああああ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る