車の前でハイ、ポーズ
一日二日経つほどに何か嫌な予感を感じてドキドキしていた。
嫌な予感だったのか、それはわからない。
ただ何か起こる気がしてならない。
わたしはそんな気持ちになぜか自分がドキドキしながら駅の前で中学校の頃に着てた服を身にまとって先輩と待ち合わせの校門前でただぼーっとしながら待っていた
「またそんな服着て、可愛いのにもったいないよ」
夕夏ちゃんと遊ぶ時はいつも暗い色の服を着てた。
おばけみたいと言われていたけど自然な楽な格好だったから相手は夕夏ちゃんだから気を使わなくて済んだしとても楽だった。
先輩とどこかへ行くとなるとなんか服に気を使わなきゃいけなくて、暗い色のワンピースじゃいけない気がして、そういう気遣いがとても久しぶりで着替えるだけで疲れた
大丈夫かな、変じゃないかな。高校生にもなって中学生みたいな服って思われないかな。
ただ見た目に気を使っていた時期の服でいいのはこの少しふりふりとした女の子って感じの服しかなかったから多少不自然に見えても謎の自信があった。
うん大丈夫、目の前の文具屋さんのガラスで反射する自分を見ても変なところはない。ただ首から上が暗めなのに対して服が少しファンシーすぎて目がチカチカしそうなくらいだ。でも服に関しては問題ないでしょうと自分に言い聞かせる。
「悠里!いた!」
その声にびっくりして少し飛び上がる
先輩を見たらその瞬間に、それまで気をつかっていたわたしが少し恥ずかしくなった。
先輩は首元がだるんだるんのシャツにショートパンツという全く普通の格好で来たから。
声をかけられるほんの少し前、スカートをつまみ上げてガラスにポーズを取っていた自分が恥ずかしくなってついつい俯いちゃう
「うつむいてないで、ほら行こ?」
先輩はわたしの手を取る。
あれは見てなかったのかな。よかった。
「ところでさ」
「え?」
「可愛くポーズ取ってたけど楽しみにしてたの?」
バレてた。
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