【コラボ配信】カワボ美少女と謎の洋館を見て回ります!!【らんchannel/ホラゲー配信】

『マコトくん、配信始めても大丈夫そう?』

「ハイ、大丈夫です。よろしくお願いします!!」


 お祝いの焼肉から帰った後、日曜日の夜ということもあって、らんさんとのコラボ配信が始まる。もともと予定していたし、打ち合わせは事前に済ませてあったので、ギリギリまでお肉を楽しめた。


 それにほのかとの久しぶりのデートも楽しかった。


『皆~聞こえるかな? フルーツ大好き、暑いのは苦手!! Vtuberの桃涼らんでーす。今日は【ブラドーの屋敷】っていうホラゲーやっていくよ。一人だと不安だから、助っ人呼んできました~!!』

「こんばんわ。マコトです。今日も見に来てくれる皆が大好きだよ~」


ビスケット:マコトく~ん!!

豚の餌:わぁ~。今日もいい声してるわ~

超高層ビル:らんちゃんの配信と2窓してまーす


『皆、マコトくんのこと好きだね~? じゃあ、マコトくんナイト様、今日はらんのこと守ってね?』

「え、僕、甲冑着てないよ?」

『そういう物理的なナイトって意味じゃないよ!?』


カルボナーラ:マコトくんのしょうもないダジャレきたwww

スレイマンの星:言うと思ったわー


『不気味な屋敷だね~? 本当にお宝なんてあるのかな?』

「ここにあるお宝、埃被ってそうだよね。みつけたら、らんさんが持っててよ?」

『サラッと押し付けないでよ!?』

「いやほら、荷物持ってたら、いざって時にらんさんのこと守れないじゃん?」


『思ってたより真面目な理由だった~!!』


超高層ビル:え、なんでらんちゃんが前歩いてるの?

ビスケット:何気にマコトくんビビってね?


『あ、ほら、コメント欄でも指摘されてるよ? マコトくん、どうして私の前歩いてくれないの? もしかして怖いの~? 可愛いね~』

「あ、いや、怖くはないよ? ただ、追いかけられた時、僕の方が先に犠牲になれるじゃん?」


『なんで、さっきから微妙にカッコつけてるの!?』

「そういう僕は嫌い?」

『……ちょっと好き。好きだけど、怖いから前歩てほしい』


「あ、そう? ならいいよ」


豚の餌:すげぇ、一切物怖じしない!!

スレイマンの星:何このイケメン!?


「幽霊より生きてる人間の方が怖いし、このぐらい平気だよ。むしろ、日差しが苦手な吸血鬼に親近感湧くし、ワンチャン友達になれるかも。初めての人型の友達~!!」

『まるで人型じゃない友達がいるみたいな……あ、ごめんなんでも無い』


日本橋スキンヘッド:マコくんのキャラ、ゆっくりこっち見るのホラーすぎるwww

A~A~:今来た。マコくんとらんちゃんのデート配信はここですか?


「ああ、たしかに。今の僕たち、デートだね?」

『デート先で吸血鬼の屋敷に行く彼氏とは別れたいかな』

「奇遇だね。僕も、吸血鬼の屋敷に行くことをあっさり承諾する彼女は嫌かも」


カルボナーラ:それ奇遇じゃないのよ。皆そうなのよ

豚の餌:納得できる蛙化現象の例である


『マコトくん、次どっちの道?』

「え、分かんないけど? らんさんが地図見てたんじゃないの?」

『いや怯えてるのに、そんな余裕ないよ~!!』


「怖いの? 僕が隣に居るから大丈夫だよ」


【カルボナーラが2000円スパチャしました】

カルボナーラ:今のボイス、音楽なしでお願いします

【スレイマンの星が1000円スパチャしました】

スレイマンの星:↑に同じ


「OK、コラボ終わったあとにね」

『マコトくん、そうやってかっこいい声出すのズルくない?』

「僕がズルいなら、らんさんの声もズルいでしょ。そんな可愛い悲鳴上げて」


『悲鳴は怖いんだからしょうがないじゃん!!』


『ひっ!! ほら、またカーテン動いた!!』

「どう考えても風でしょ?」

『でも今、黒い影が横切ってたよ~!!』


「マジで!? 吸血鬼かな……? ちょっと待って友達になってくる」

『なれないと思うけど……。あ、あと置いて行かないでよ~!! 怖い~!!』


超高層ビル:らんちゃんの悲鳴助かる

日本橋スキンヘッド:嚙み合わない2人が面白過ぎるwww


「大丈夫大丈夫。影なんて気のせいだから」

『今の今まで、吸血鬼かもって言いながら追いかけてたのに?』

「もし、吸血鬼だったら見なきゃいいんだよ」

『マコトくんの後ろ追いかけてるから、手遅れじゃないかなぁ……』


スレイマンの星:まじで2人面白過ぎるwww

超高層ビル:推し2人の面白コラボとか最高やん

カルボナーラ:一生やっててほしい


『一生この屋敷は嫌なんだけど~!!』

「でも食べ物あったから余裕じゃん?」

『腐ってるスープと何のお肉かわかんないやつだけだったじゃ~ん……』


『マコトくん、本当にちゃんと守ってくれるの?』

「うん、守る守る~」

『めっちゃ返事が適当だ!? でも、本当に守ってくれるなら、嬉しいかな。……ねぇ、これ終わったらさ、カップルチャンネルでも始める?』

「あ、そういう陽キャっぽいのはちょっと……」


『なんで私がフラれたみたいになってるの!? 本当に始めるわけないじゃん!!』

「あ、吸血鬼!?」

『え、嘘、ど、どこ!? ……って、なんだ、ただの椅子に座った骸骨じゃん』


超高層ビル:あれ、意外と驚かない?

ビスケット:絶対悲鳴揚がると思って待機してたのに……


『どうせ、造り物の骸骨でしょ? 骨の欠片を埋め込んで開く扉があったし、コレ拝借して……』


 ――ポロッ


「あ、腕とれたね。しかもなんか、動き出した」

『ぎゃぁぁぁぁ~~~~!!』


カルボナーラ:わお、すっごいいい悲鳴

スレイマンの星:そうそう、コレ!! これが聞きたかったんすよ~

豚の餌:カワボ妖精ちゃんの悲鳴キタコレ。ワクテカwww


マコくん最強卍:何、この女? キモッ


「らんさん、待って。前から吸血鬼も追いかけてきた」

『わぁ~!! こっちも居るの~!?』

「らん、こっち!! 曲がって!!」


『はぁ、怖かった~!! マコトくん、ありがとうね』

「あ、コレ、探してた最後の手記じゃない? この屋敷の吸血鬼伝説の手掛かりがのってる」

『めっちゃ無視!? コレ、読んだら吸血鬼倒せる?』


「えぇ、倒すの~? 友達になりたいんだけどなぁ」

『それは諦めて!!』


 さらにそれから30分――。

 らんさんの悲鳴と絶叫に疲れが見え始めるころ、やっとゲームが終わる。私は十分に楽しめたが、彼女は疲れの方が大きいようだ。しかし、リスナーの反応を見ると、少し復活したようだ。


「さっすが、配信者だね~」

『それは真琴君もでしょ!! はぁ、これで今日の配信は終わりまーす。皆のスパチャとかは別な配信で読ませてもらうね? 最後、マコトくん告知とかある?』


「あ、じゃあ、明日は久しぶりに雑談配信するから、是非遊びに来てね~」

『……とのことなんでね。私とマコトくんのチャンネル登録と高評価よろしくおねがいしま~す。みんな、ばいば~い。おつらん~」

「今夜君と夢で会えますように。SeeYouAgain」


スレイマンの星:おつまこ~

超高層ビル:おつらん~!! おつまこ~

カルボナーラ:今日の配信も楽しかったよ!! おつまこ~

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