第16話 中林タカシ

「ちーちゃん、兄ちゃんから聞いたんだけど、中林タカシって覚醒剤の密売人を内偵で調べているって…」


「若菜が言ってた、いちかって人の彼氏だね?」


「うん、この人が以前、川瀬景子って人と付き合っていたって情報があったんだって…殺人事件に関係するかもしれないから、絶対にこれ以上、首を突っ込むなってキツく言われたよ…」



中林タカシは自白前に、いちかが自殺してくれた事で自分はのうのうと、次の女を毒牙にかけようとしていた…。


その女が友達と口論になった事より、keepに書き込みをした。


タカシを探す景子は、その女のkeepへの書き込みを感じ、その女のスマホへ入った…。


keepのトークルームからその女のラインフレンドにタカシの名前を見つけた…。


中林タカシ…。


景子を殴り、景子を壊して殺した男…。


景子を、殴り、頭蓋骨を陥没させ、眼球は潰され、頬骨は砕け口は耳まで、裂けた…。


口の中の白い歯も折られ、代わりに鋭く小さなビラニアの様な歯が幾重にも生えてきた…。


この醜い姿に変えたのは中林タカシ…。


窪んだ眼窩に、目玉を押し込み、斑模様の白目で景子は笑った…。


「タカシ…やっと見つけた…」



覚醒剤を捌いて、タカシは横浜港が見える小高い公園の駐車場でベンチに腰掛けタバコを吸っていた…。


夜景が綺麗なデートスポットの公園も朝に近い深夜では誰もいなく、住宅も離れている為、しんと静かで風の音とたまに聞こえる霧笛の音しか聞こえない…。

 


さて、今度はどこの女に連絡取ろうかと、スマホをタカシは取り出した…。


その時スマホが着信を受ける…。


名前を見て、タカシは驚く…。


着信…川瀬景子…。


「景子?…埋めたはず…」


電話に出る…。


「もしもし…誰だ?」


電話は無言である…。

 

「誰だ!ふざけるのは止めろ!!」


タカシ…見つけた…。


タカシの頭に直接声が響いて来る…。


タカシ…やっと見つけた…。



タカシのスマホの画面から、影の様な霧が流れ出ると、霧は景子の姿になってタカシの背後に現れる…。


振り向き異様な景子の姿に驚きタカシは後退る…。


「ガ…ガガガ…ガ…」

 

タカシ…見つけた…タカシ…抱いて…。


鋭い爪でタカシの服に触れるとタカシは一糸まとわぬ裸になった…。


景子は血で汚れた自分の服をハラリと落とす…。


脇腹はえぐれ、乳房は腐れ落ち、陰部からはムカデが這い出している…。


「あわ…あわわ…」


タカシは恐怖のあまり、声も出せず、ただ、後退り、尻もちをついた…。


もういい…。

 

風の様な速さで景子はタカシに近づくと、萎えたタカシの男根を咥え、鋭い小さな歯で男根を噛み歯をたてるや否やタカシの男根を口から抜いた…。


鋭い小さな歯によって、タカシの男根はスダレの様にバラバラに裂かれ、タカシは痛みで悲鳴をあげた…。


血だらけの股間を押さえるタカシの両耳を掴み、景子は左右に引き裂いた…。


「ぎゃー!」


鋭い爪で、頬を撫ぜるとタカシの口は今は無くなった耳まで裂ける…。

 

「景子、もう止めろ…止めてください…」  


懇願するタカシの右目に景子はゆっくり、指を挿し込む…。


「あー!あーぁ!」


景子は足を踏みつけ、タカシの足を潰し、タカシの右肩に齧りつくとそのまま、右腕を噛みちぎる。


その、右腕を振り上げて、タカシの顔に振り下ろす…。


何度も何度も振り下ろす…。


右手に嵌めた大きな指輪がタカシを何度も打ちつける…。


タカシの頭皮は裂けて、頭蓋骨は割れ、脳味噌が飛び散っても景子は止めない…。


鼻と顎の骨はバラバラに砕かれ顔の真ん中がへこんで入る…。


絶命しているタカシの腹を裂き、広げて腹の内臓を握り潰し、ネジ切り取ったタカシの生首を空いた腹へ押し込んだ…。


タカシの無惨な姿を眺めると、満足そうに景子はスマホへ帰って行った…。



スマホの中では、怨みを晴らせたからなのか?


景子の両目に瞳が戻り、斑模様も消えていた…。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る