第18話
「ま、しかたねぇ話だ。バイクに今すぐにでも触れてぇ気持ちはあるが、あんたのについても勝てる保証はまったくねぇ。だったら
「それに、ここであんたらをぶっ飛ばしてついでに"郵便屋"の背信も手土産に戻れば
しかし、万が一のことがあったとき僕ははたして本当にこの液体を
「もしもの話だけれども、
「だから?
「そう?
発言の真偽を確かめるように
「ま、そんな棚からぼた餅ってわけにゃいかんか。お前がなんの用意もなしに俺の前に立つわけないもんな。」
「あらあら、そんなに素直に夢をあきらめないでもいいじゃない。
「だから、俺は負け戦するつもりはねえよ。この高校で負けて賊軍になったやつの末路はさんざん見せられてきたしな。心配するな、今の話は聞かなかったことにしといてやる、お前らと密会したなんて知られたら
「どうして
「あ?」
訝しげに振り返った
「おいおい……。なんだよ、これは。」
気になった僕は教卓の背後からなんとか手紙の文面を読もうとするも、絶妙に影になって視界に入れることはできなかった。
教卓のうすい金属板越しに
「うひっ、それじゃあ最初から俺たちはお前の手のひらの上だってのかよ? く、くくくくくっ! こりゃ
「ひゃっハハハハハ、俺も
そのどこか異常な光景を前にしても
「それじゃ、
「ㇵ、ハハハハハ………。ああ、俺は勝ち馬に乗るのが大好きなんでな。そうさせてもらうぜ。」
笑いがまったくおさまらない
あれほど急に
「
「なんだ、"銀行屋"のボウズも来てやがったのか。それに手に持ってるもんはなんだ? ………もしかしてヤベエ薬品かなんかか?」
静かに頷く僕に納得した様子の
「
「ええ、別にいいわ。
そうすれば、わたしが
「あ、余計なお世話かもしれねぇ。だが伝えとくと、
……結局、
不思議に感じた僕は答えを求めてとなりの
一切の感情が消えた無味乾燥な表情の
いつもすぐに真実を見抜くあの
「
「………。」
おずおずと僕が名前を呼ぶと、いきなり土の中から地表に引きずり出されたモグラのように
「ごめんなさい、すこし
ようやく余裕を取り戻した
「
「いいえ、逆。霧がかって捉えられなかったものが、ようやくわたしの前に足跡を残したの。ただ、まだそれは不確かであやふやなものなのだけれど……。」
自信家の
「とにかく、これで
話題をそらすように
「そういえば
「秘密。」
僕の言葉を途中で遮った
「奥の手は最後まで隠しておくものでしょう?」
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