タイムマシンーー少年

 目が覚めるとまずは無骨な暖房装置が視界に入ってきた。


 電源をつけるとともに電子ブランケットから身を起こした。夢が終わったから、一日を始めなければならない。


 一畳ほどの狭い空間に似つかわしくない大きさの冷蔵庫から厚いガラスに包み込まれた水を取り出した。その頃にちょうど効いてきた暖房が全身を暖かさで包む。


 『本日の天気予報をお知らせ致します』


 いつもと同じように古びた木製の椅子に座ると、ぎいぎいと音を立てた。それに構わず瓶の蓋を開ける。もうすっかり高価になった透明な液体が静かに音を立てた。


 『本日 外地は最高気温125℃ 最低気温2℃です』


 これまたいつも通りの放送が流れる。内地の天気は僕には関係ないから聞き逃したが。


 『それでは本日のニュースです。今日未明、プロトタイプのタイムマシンが開発されたとの報道がーー

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