タイムマシンーー少年
目が覚めるとまずは無骨な暖房装置が視界に入ってきた。
電源をつけるとともに電子ブランケットから身を起こした。夢が終わったから、一日を始めなければならない。
一畳ほどの狭い空間に似つかわしくない大きさの冷蔵庫から厚いガラスに包み込まれた水を取り出した。その頃にちょうど効いてきた暖房が全身を暖かさで包む。
『本日の天気予報をお知らせ致します』
いつもと同じように古びた木製の椅子に座ると、ぎいぎいと音を立てた。それに構わず瓶の蓋を開ける。もうすっかり高価になった透明な液体が静かに音を立てた。
『本日 外地は最高気温125℃ 最低気温2℃です』
これまたいつも通りの放送が流れる。内地の天気は僕には関係ないから聞き逃したが。
『それでは本日のニュースです。今日未明、プロトタイプのタイムマシンが開発されたとの報道がーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます