第162話 海中探索の準備
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
<訂正>
前話のステータスを夏イベ参加前の装備あり状態で記載していたため、最新の装備なし状態に差し替えました。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
コトウノスナガニ
レア度:2 品質:低
敵性生物の接近に敏感。
気配を察知するとすぐに砂浜へ潜りやり過ごそうとする。
素揚げにすると美味い。
討伐時に焼けてしまったため品質が低い。
「へえ~、こいつ食べられるんだ」
俺は先程倒した魔物のドロップアイテムを砂浜から掘り出した。にょきっと飛び出た目が特徴的なカニだが、アイテムの説明欄によるとどうも食べられるらしい。素揚げが最適らしいが、焼きでも食べられないことはないだろう。あと何体か狩ってみようか。今日も他のメンバーが上手く食料調達できる保証はないから。
気配察知で周囲に気を配りながら浜辺を歩く。隠れているコトウノスナガニを探すためだが、一応今はソロなのでオオヤシガニのような大型の魔物と戦闘を避ける意味もある。
昨日、砂浜を探索した際は遭遇しなかったので個体数はそこまでいないのかもしれないと思いつつ、太陽が照りつける中を水着で進む。
「あっ、砂の中に反応がある」
もう少し探索して発見できなければコトウノスナガニのことは諦めて、本来の目的を果たそうと考え始めたところでようやく獲物の気配を察知した。
どうやら先程倒した個体と同じく、隠れてやり過ごすつもりらしい。今は魔法を使って攻撃するため、ある程度距離を取っている。もし近づいたら反撃してくるのか、それとも逃走するのか気になるところだ。
「安全に狩るに越したことはないから接近はしないけど」
今回はアムリを呼び出さない。食材とはいえ、小さなカニを倒すために毎回緋色の紋章を発動させていてはMPがもったいないから。
「ファイヤーボール!」
火魔法を発動。先程よりは少し小さい火の球が発生して、狙い定めた場所へと着弾する。
気配察知のスキルが反応しなくなった。どうやら通常時のファイヤーボールでもコトウノスナガニを一撃で倒すことができるようだ。
俺は再び砂浜を掘り返して、死骸を見つける。そしてスキルの解体を発動してアイテムへと変えた。
そしてここからが本題である。
昨日、イッテツさんと話して決めた海の探索。
今考えてみると潜水スキル持ちとはいえ、武器なし魔法も火なので海中だと使えない。そんな俺がソロで実行するのは些か危険な気もする。
水中戦になる前に逃げるべきだが、もしものときを想定して何かスキルを取得するべきか。
ハイト・アイザック(ヒューム)
メイン:テイマー Lv.1
サブ1:見習い錬金術師 Lv.9
サブ2:見習い戦士 Lv.11
HP:400/400 MP:270/360
力:35
耐:37
魔:44
速:19
運:35
スキル:テイム、火魔法、水魔法←new、魔力操作、錬金術、剣術(初級)、槍術(初級)、格闘術(初級)←new、盾、気配察知、聴覚強化、鑑定、解体、採取、潜水、伐採、採掘、口笛、挑発、癒しの手、緋色の紋章
称号:<ラビットキラー><紅蓮の魔女の弟子>
SP:6
<装備>
頭:―
胴:―
脚:―
靴:―
装飾品:―
武器:―
盾:―
取得可能なスキルとにらめっこした結果、水魔法と格闘術(初級)を新たに取得することにした。
水魔法は見習い錬金術師のレベルが規定値に達した際に取得可能となっていたのだが、妻も使えるという理由もあり火魔法の方だけ取得してずっと見送りにしていた。だが、今回水中戦闘でも使用できるだろうという理由から選んだ。
もう一つの格闘術は武器がないこの状態で戦闘力を上げるのに最も適していると思えたため取得した。
そしてそれぞれのスキルを習得して使えるようになったのがこれだ。
まず水魔法のウォーターボール。水の球を敵へ放ち攻撃する魔法だ。これは妻が初期から愛用している攻撃魔法。なぜか火魔法のファイアボールと水魔法のウォーターボールで必要な熟練度に違いがあるのか未だに謎である。
格闘術(初級)の方では、武器を装備していないときの身のこなしが軽快になるという抽象的な効果が付与された。格闘術(初級)に関しては取得しているプレイヤーも多く、掲示板を覗くとすぐに情報を得られた。効果説明の抽象度が高いため不安になるが、少し体を動かしてみると違いを感じられるくらいには身のこなしが変わるため有用な効果らしい。
俺自身も砂浜で軽く体を動かしてみたが、ステータス上の速さは変わっていないのに動きが明らかに変わっていた。これなら海中でも、潜水スキルと共にかなり活躍してくれるだろう。
最低限の準備ができた俺は海中探索を始めることにした。
最初は足先だけ水に慣らす。そして気配察知に魔物の存在が引っかからないことを確認しながら少しずつ先へ進む。別に一気にダイブしてもいいのだが、今回はソロであるためいつもより慎重に行動していた。
――――ブクブクブクブク
ん!?!?
海中へ入り、中の様子を確認し始めたところで海底にある大きな岩の裏から空気がボコボコを排出されているのを発見した。
俺は経営地の湖に何度も潜っているが、水生の魔物が空気を吐き出しているのを見たことがない。もしかしたら何か特殊なものが見つかるかもしれない。そう考えて俺は真っ直ぐに岩の裏へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます