第73話 2度目の潜水
ハイト・アイザック(ヒューム)
メイン:見習いテイマー Lv.13
サブ1:見習い錬金術師 Lv.7
サブ2:見習い戦士 Lv.7
HP:290/290 MP:290/290
力:28(+11)
耐:27(+42)
魔:36
速:18
運:30
スキル:テイム、火魔法、魔力操作、錬金術、剣術(初級)、槍術(初級)、盾、気配察知、聴覚強化、鑑定、解体、採取、潜水、伐採
称号:<ラビットキラー>
SP:8
<装備>
頭:なし
胴:劣猿王の皮鎧(上)
脚:劣猿王の皮鎧(下)
靴:皮の靴
装飾品:―
武器:頑丈な石の剣
盾:鉄の盾
イッテツさん、ミミちゃんと別れて経営地へ帰還した俺は、自分のステータスを眺めていた。鎧の上下に盾が良い物なおかげで耐久がかなり高くなっている。これならマモルクラスの魔物からの攻撃にも耐えられるはずだ。頭装備と装飾品も手に入れれば、この先もしっかりとうちのパーティーの盾となれるだろう。
ただ……俺は頭装備が嫌いなんだよなぁ。せっかく設定したアバターの髪型や髪色が見えなくなることが多いから。普通のMMOなんかでもこれが原因で頭装備をせずに遊んでいたこともあった。頭装備透過設定がある神ゲームではもちろん頭装備もしっかりとしていたが。
それに俺は現実でも帽子を被ることが嫌いだから、感覚がほぼリアルと同じVRMMOで頭装備をつけるのはきついところだ。
ご意見をお聞かせください。的なフォームが公式サイトにあったし、頭装備透過機能を実装して欲しいとでも送ってみようかな。同じ意見の人が他にもいれば、実装される未来もあるかもしれない。
頭装備への文句はこの辺にしておこう。
そろそろ俺が経営地へと戻ってきた目的を果たすとしようじゃないか。
「マモル~、久しぶりに一緒に潜らない?」
湖を指で示し、そう叫ぶ。
声が聞こえたのか、マモルはお気に入りの大樹の陰を離れてこちらへと走ってきた。
「おっ、きたってことはやる気あるってことだよね?」
骨の尻尾が地面へバシンッと叩きつけられる。どうやらやる気満々なようだ。
「それじゃあ、早速潜ろっか」
いっせーのでタイミングを合わせて、主従揃って湖へとダイブした。
湖に潜るのは経営地の入手条件を満たすために魔物を狩りにきた以来。澄んだ水の中を元気に泳ぎ回る魚系の魔物の姿はやっぱり見ていて楽しいな。ただ、前回と違って湖底で縄張りを主張してくる人食いウナギはいない。あれはもうリポップしないのだろうか。また食べたいのになぁ。
……人食いウナギのことはさておき。今日の目的はイベント限定の水生魔物がいないのか確かめることだ。仮に存在していてこの湖で取れるのなら、俺たちはイベントポイントをがっぽり稼げる可能性が高い。潜水スキル持つ俺とマモルは潜りでその魔物を狩り、妻やスライムたちにはどうにか釣りざおを入手して釣りでそいつを狙ってもらう。そうすれば拠点から移動することなくイベント限定の魔物を大量入手可能だ。ポイントだけでなく食料も蓄えられるし、経験値も入るから一石二鳥どころが三鳥だね。
「マモル、今日は初めて見る魚がいれば教えて欲しい」
指示を理解したマモルは早速、獲物を探して泳ぎ始めた。俺もそれに続こうと思ったところで視界の端で見覚えのあるゲージが0になるのがわかったので仕方なく湖面へ上がる。
「はぁ……あっぶない。酸素ゲージがなくなってHPが減るところだった。やっぱり水中で呼吸ができないと長くは潜れないね」
現在、夕方。視界の方はまだどうにかなるが、流石にスキルもアイテムもなしに水中で呼吸をできるようにはならない。
また変質草を使って体を作り変えるのもありだが、できればそれは回避したい。今後、どんなフィールドが出てくるかわからないから、さまざまなフィールドに対応するため使えるであろうこのアイテムを無駄遣いするのは絶対にダメだ。
地道に潜って浮上して、潜って浮上してと繰り返して獲物を探すしかないか。
酸素ゲージが回復したのを確認した俺は再び水中へと潜る。
とりあえず気配察知を使って片っ端から魚を見て回ろう。
まず3匹ほどかなりの速度で遊泳している魚が引っかかる。こいつらは間違いなく爆速ヤマメなので目視で確認するまでもなく放置。
次に10匹以上の群れで泳いでいる魚が丁度気配察知の範囲内に入ってきたので、そちらを目指して進むことにする。
2、3度酸素ゲージの回復を挟みながら目当ての群れに近づくと見知った輝きが目に入る。ニジマスだ。前回の潜水時、マモルにトラウマを植え付けたなかなかやりての魚種。初見殺しの要素が強いので今は大した相手でもないが、そもそも狙っている魚ですらないので捕獲しないでおく。
う~ん、なかなか見つからないな。イベント限定の水生魔物は存在しないのか?
このまま諦めるのも嫌なので、ラニットアユのように気配を察知しづらい説を信じて蓮の裏を探してみる。
1枚目、魚影なし。2枚目、ラニットアユが1匹。3、4、5枚目も魚影なし。6、7枚目はまたラニットアユがいた。8~15枚目、魚影なし。
蓮裏に潜んでいる説も可能性が低くなってきた。マモルも戻ってこないし、そろそろ諦めるべきかと考え始めた頃――――。
「なんだこれ!?」
突然、察知できる範囲内にえげつない数の魚が入ってきた。ニジマスの群れなどかわいいものだ。これは100以上絶対にいる。
もしかしたらイベント限定の水生魔物かもしれない。そう思った俺は急いで気配のする方へと向かうのだった。
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