第60話 新ポーションの素材?
戦闘終了後、みんなで低級ポーションを飲むことになった。ペックの森のように自分から襲いかかってくる魔物がいない場所なら、回復する前にステータスを見たり死骸を解体したりできるが、ファス平原ではそうもいかない。
緑色の薬品を一気に飲むと強い苦みが口の中いっぱいに広がる。
「ハイト、前から思ってたんだけど……どうにかして美味しいポーションを作って欲しいな」
「できるかはわからないけど、今度いろいろ試してみるよ」
それぞれのHPがしっかり回復したことを確認して、俺と妻は戦闘の成果を見始める。もちろん気配察知で敵がいないことは確認済みだ。
ハイト・アイザック(ヒューム)
メイン:見習いテイマー Lv.13
サブ1:見習い錬金術師 Lv.6
サブ2:見習い戦士 Lv.7
HP:290/290 MP:270/270
力:28(+11)
耐:27(+24)
魔:34
速:18
運:29
スキル:テイム、火魔法、錬金術、剣術(初級)、槍術(初級)、盾、気配察知、聴覚強化、鑑定、解体、採取、潜水、伐採
称号:<ラビットキラー>
SP:20
レベルアップ後のステータスを確認すると力と耐久があと少しで30に乗りそうだった。30を超えれば何かがあるというわけではないが、少し嬉しい。それに火魔法で敵に直接ダメージを与えられるファイヤーボールも習得できたので、今回はけっこう収穫があったと思う。
残念なことにマモルのレベルは上がらなかった。元が強いからかもしれないが、レベルアップに必要な経験値が多い気がする。妻によるともうすぐすらっちのレベルがマモルに追いつくらしいし。
「ハイト、何か良いことあった?」
レベルアップと熟練度アップで喜んでいたのが顔に出ていたようだ。
「うん。やっと攻撃魔法を覚えられたんだよ」
火魔法を取得時から使えるのは敵を火傷状態にするヒートラインのみ。効果自体は強いが、使うタイミングや魔法陣を展開する場所などを考えないといけないので、雑に切れない。なので、敵に向かって撃つだけでダメージを与えられる魔法を早く覚えたかったんだ。
「そうなんだ! どんな感じの魔法?」
「火の玉を飛ばして攻撃する魔法だね」
「あ~、ウォーターボールの属性違いみたいな?」
「そうだね。でも、少しだけ違いもあるみたいだけど。ファイヤーボールは超低確率で相手に火傷を負わせるらしいから」
実際、どのくらいの確率なのかはわからない。だが、超低確率というくらいなのだから、火傷狙いで魔法を使うならヒートラインの方を選ぶことになるだろう。あくまでもファイヤーボールは攻撃手段で、火傷したらラッキーくらいの気持ちで。
「それってウォーターボールより強いってこと?」
「どうだろう……おまけ程度の効果だし、単純火力はウォーターボールの方が高く設定されていたりするかもしれないし」
「調べてみないとわからないか。気になるから後で掲示板覗いてみよっ。全然見てなかったせいで、痛い目にあったしね!」
ぶーちゃん暴走事件のことを思い出した妻は、体をぶるりと震わせながらそう言った。
「いいと思うよ。それでリーナたちはどうだった?」
「今回、私のレベルが上がらなかったんだよね……でも、すらっちとぶーちゃんは上がってたよ。見てみる?」
「うん、お願い」
すらっち(スライム)
Lv.10
HP:75/75 MP:47/47
力:15
耐:22
魔:6
速:11
運:10
スキル:溶解液、液状化、物理耐性、再生、投擲術(初級)
称号:<外道>
ぶーちゃん(ブラックボア)
Lv.4
HP:165/165 MP:35/35
力:28
耐:12
魔:4
速:21
運:13
スキル:突進
称号:―
「ぶーちゃんもう俺の力と速さに追いついてるんだ……」
加入1日2日の新顔に負けるのは少しショックだ。あ、でもマモルを従魔にした瞬間からステータスでボロ負けしてるから、今更感はあるね。
「だって、ぶーちゃん! よかったね、褒めてくれてるよ。このままどんどん強くなろうね~」
プップゴッ!
妻が抱き着きながら褒めまくると、ぶーちゃんは照れたように鼻を鳴らした。
俺は少し落ち込んでそう発言したのであって、ぶーちゃんを褒める意図は一切なかった。だが、喜んでいるところにわざわざ水を差す必要もないので、本当のことは心にしまっておこう。
ブラックボアの体毛に虜になっている妻はしばらく動かなそうなので、俺はさっさとビッグスライムを解体してしまおう。
このまま放置していると持って帰るの忘れそうだし。
スライムゼリー
レア度:1 品質:低
スライムを倒すと手に入ることがあるゼリー。淡い水色で清涼感のある見た目をしている。味はほんのり甘い。
ビッグスライムの魔核
レア度:2 品質:中
ファス平原のエリアボス、ビッグスライムの魔核。
獣の遺骨
レア度:1 品質:低
スライムに捕食されて体内で溶かされた獣の成れの果て。
レアリティが高い物は少ないけど、1つおもしろいアイテムが手に入った。
それはスライムゼリーだ。説明によると少し甘いらしいので、新ポーション開発に使用できるかもしれない。他にも果実などを買ってきてポーションと合わせて、おいしいポーションゼリーみたいな物ができてくれると嬉しい。
残りのアイテムは使用方法が不明なのでしばらく放置でいいだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます