第4話 「申告敬遠」それって、新卒的には、こういう意味らしい→「会社説明会に出るから講義は休みますって申告すれば、出席したことになる」

 外は、薄暗くなっていた。

 また、Hな香り。

「ばあば!」

 「かわいいねえ、ファイト!」

 「ばあば、ばあば!」

 「さすがは、大学4年生じゃな」

 「ばあばの、就職!ばあばの、就職!」

 日本っていう国は、こういう世代に栄養をやりまくって、本当に努力のできた就職氷河期世代を、裏切ったわけか。

 今になって、大あわての日本。

 自爆。

 ボンバーマン。

 「思い描いていた学校生活にならず、弱っていく孫たちが、かわいそう。誰が、こんなことをしたんじゃ…」

 高齢者も、よく、言うよ。

 「まあ、良い。次が、あるさ」

 そう言える世代が、うらやましい。

 「就職氷河期世代には、次がないんだ!」

 世代間の差。

 「ばあば、知ってる?会社説明会に出るから、講義は休みますって申告すれば、出席したことになるんだ。申告敬遠だ!」

 野球ファンに、怒られますよ。

 プルルルル…!

 テーブルの上の彼のスマホが、鳴った。

 「ファイトさんよね?」

 「ああ、この前の女の子?ひひ」

 「お久しぶり」

 「ファイト、一発!」

 「それ、なつかしい言い方ね!」

 「俺、君のことが、好きなんだ!」

 「じゃあ、 150万円、ちょうだい?」

 「 150万円?あ、そう。俺ら、最強世代。世界に 1つだけの花!どうせ、それくらいの金、皆からもらえるさ(←こういう考え方だから、まわりが迷惑するんだよ)」

 「へえ」

 「あれ?でも、金融機関で 1日に下ろせる金は、50万円までだぞ?」

 「ファイトさんは…」

 「何?」

 「郵便会社に、たくさん、金を入れていたでしょ?」

 「う、うん…」

 「そこで、 1日50万円下ろすのを、 3日続ければ良いんじゃないの?ほら、 150万円」

 「頭良いな(←マジで言ってるの?)!」

 「 150万円下ろしてくれたら、あなたの×××に、×××しちゃおうかな?」

 「ういっひー!」

 ここで、こう思う人いたでしょ。

 「郵便会社?郵便局の、間違いじゃね?」

 いや、間違ってません!

 小泉純一郎政権のとき、郵政民営化の改革があった。そのとき、公務員の職場の郵便局は、民営化。

 「局」の字が、なくなったんです。

 「局」っていうのは、基本、公務員の職場のことだから。

 「でも…あれ?郵便局って、フツーに言うよな?」

 たしかに。

 それは、昔の言い方が抜けていないだけ。

 正しくは、「郵便会社」。

 「あれ?郵便局にいってきてくれって、会社で言われたけど?」

 それは、その人が言い直せていないだけ。





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