第四十三首 「わー!かわいー♡」…

「わー!かわいー♡」イルカの眼(まなこ)に近づけたイワシごと手首を噛み切られる



 怒りの短歌。


 ペンギンカフェという場所に行った。浅黒く、休日は波とお友達ごっこをしているであろう彼らが、男が愛やら恋やらを歌っている店内でガラス越しに飼われているペンギンに餌をやっていた。

 ペンギンは物言うことなく、男と、女と、その被造物から為されるがままに餌を受け取り、或いは翻弄され、ガハガハガハ。愛を歌い、浅黒く、外は闇でありながら内は不自然に明るく、子供よりか弱き生き物は寂しい目をして、なんだこれは。


 その時、これまで大人しく餌を待っていたペンギンたちが牙を剥いた!子供の手首を噛みちぎり、次いで浅黒の眼球を。ショットガンを取りに武器庫へと戻った飼育員も甲斐なく背中に嘴を突き立てられ絶命。全てを呆然として眺めるわたし。ペンギンはこちらを一瞥して街へと繰り出した。ペンギンの怒りは、人類を絶滅に追い込んだ。

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