第三十五首 無限に連打する...

無限に連打するグレーアウトした女の名前



  悲恋の短歌。


 男に生まれてしまった以上、女を求めない生き方は困難です。そして往々にして恋は成就することなく、そのほとんどが悲恋に終わります。


 私の愛した長門有希、天海春香、大空あかり、かれらは次元の隔たりによって強制的に悲恋へと落とし込まれる。それだけではなく、この現実世界を見ても、決して人生の交わることのない著名人、親しい間柄であるにも関わらず本心を打ち明けられない友人、死んでしまって二度と会えない知人など、確かに選択肢には含まれているものの、彼女たちの名前はグレーアウトしている。それが無意味であるとわかっていても、薄灰色の名前をなぞって、無限に連打せずにはいられない。

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