第三十三首 具のないラーメンに...

具のないラーメンに芥の如く浮く葱よ 無味であってもそこに居ろ



 ラーメンの短歌。嘘、貧困の短歌。


 あまりにも金がないので1食あたり60円程度しか使えません。なので具のないラーメンを侘しくも啜っています。


 粉末スープを開き、熱湯を注ぐ。そこではじめて、わずかばかりの乾燥ネギが粉末に紛れていたことを知る。あまりにも少量なのでほとんど無味だが、茶色一色の丼を漂う緑の芥は、そこに居てくれるだけで、なんだか嬉しい。

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