第二十六首 十字架の兄の次に...

十字架の兄の次に造られた親の贖罪課された命



 反出生の短歌。


 僕はこの世界に「生まれないこと」が最も幸せだと考えている。イエスは人の原罪を背負って十字架に架されたが、人が人を産むという構造そのものが内包する罪はなにによっても償われない。


 私を産むという誤った選択をした親は、十字架に架けられた彼の罪の次に、子産みの罪を私に課す。親の罪を私の生で贖罪する。親の贖罪課された命を生きることしかできない。

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