第十七首 灰の混じった四季だから...

灰の混じった四季だから季節は一つで事足りる



 『灰』について延々と考えていた時期がある、その時に詠んだ鬱の短歌。


 一般的に四季は色鮮やかで美しいものと捉えられているが、それは風景を美しいと感じることができるだけの精神的余裕をもった人固有の感覚である。

 うつ病によって精神を汚染され、風景を愛でるだけの余裕もなくなった「灰の景色」になった時、季節は四つも要らない。灰色の、たった一つで事足りる。

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