プロット代と清潔感と文芸
何度目かのお久しぶりです。
信じられないことに去年の冬に出した原稿がいまだに出るのかボツになるのかよくわからない状態なので、新作のお知らせができません。
(誰に見せるでもなく、非公開で架空の地下アイドルのブログとSNS投稿下書きという気色が悪いものは書いていますが、着地点が見えないので世に出すかどうかはわかりません)
まぁ、ともかく忘れられているわけではないようなので、気長に待つことにします。
さて、とはいえですね、なんだかんだ書き物仕事はやってます。
「最近どうですか?」と誰かに訊かれるたびに「暇っすね」って言ってたらなんか色々呼んでもらえました。まぁ呼んでもらってますけど、今後も暇っすねって言い続けると思います。
で、プロット代の話になるわけなんですけど。
先日呼んでもらった案件でプロット代なるワードが出てきてビックリしたんですよね。
プロットってお金もらえるの?っていうことで。
小説のプロットなんて何億字書いても1円ももらえませんわね。
もう、私なんて目先の期待値を即回収するタイプなので作品が世に出なくてもお金がもらえるなんてそんな美味い話があんのかいな!って飛びつくわけです。
でも、これってお互いに相手を信用して初めて成立するものだなと。
プロット代を受け取ってしまうと、その企画はもう他所には持って行けないですよね。
つまり企画を他社に持って行かせないために作る気ないのに買い取るということができてしまうわけです。
一方で小銭を稼ぐために捨て案を買い取らせるという悪い作家もいるかもしれません。
受け取る方は世に出せるように尽力するし、書く方も手を抜いたりしないという大前提ですね。
まぁ、私は文章書いてお金もらえるなら、別に世に出るかどうかとかクレジットとかには無頓着ですし、選べるなら全然貰う派ですね。
私みたいな無名を飼い殺しにするメリットも先方にないですしね。
小説はプロット書いてもお金もらえないですけど、他社から出てヒットしちゃうと見る目ないという誹りを受けるリスクもまた出版社は負うわけなので(進撃の巨人が有名ですね)、プロット代くれないからセコいとは全く思わないですが、ジャンル・媒体によって違うんだなーというのを学んだ、という話でした。
で、今回はもう一つ。
清潔感って何?っていう話を耳にしまして。清潔と清潔感は違うみたいな。SNSでちょっと話題なったみたいなことらしいんですけど、あえてその話題を探さなかったんですよ。
これ実は自分の頭で考えた方がいいテーマだなと。
けっこう曖昧な概念ですよね。
こういうみんながなんとなくで使っている言葉をそのまま文章にしてもそれは作品にならないというか、こういうものを言語化してこそ文芸作品になるのでは?ってことですよ。
その一例としていいよねってだけで、別に清潔がどうとかっていうのはどうでもいいです。
もう一つ「スベる」とかも意外と曖昧なまま様々な場面で便利に使える言葉で、つい甘えて使っちゃいそうです。
ちなみに私のなかで清潔感っていうのは人間の減点評価法だという解釈です。
肌とか髪とか匂い、食事のマナーとか色んな要素で無意識に減点が行われていて、それが一定を超えると清潔感がない、という評価になります。
一方でプラス評価が別軸で存在していて、顔立ちが整っているとかそういう目立つプラスがあると減点法の評価が前に来ることはないので、イケメンとか美人とか言われるのかなと。
褒めるべきところがあんまりないと清潔感のあるなしが表に出てくるようなイメージがあります。
もし小説に書くときにはもうちょっとエピソードに落とし込みますけど、ふわっとした概念を自分オリジナルの解釈で書くことが文芸の一つの側面かもしれませんね、って思ってこんなことを書いてみました。
あと、近況ノートには書いたんですが、先週発売になった『小説推理9月号』の夏に読みたい本特集で背筋さんに『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』を取り上げてもらいました。
装丁が可愛いからかわからないですけど、記事のトップにも書影使ってもらっていて2箇所も載せてもらっています。
ありがたかったです。
皆さんも記事だけでも読んでみてくださいね。
ではでは。
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