第13章

13-01 嫌な予感

 翌日、私は皆に提案した。

「昨日、コンビニから持ち帰れなかった食品を、再び取りに行こうと思うのだが、何も全員で行く必要は無いと思う」


 するとBMさんも言った。

「ああ、男3人で行くから、女性の皆さんはゆっくりと体を休めていて」

 ……ナイス、BMさん。


 しかし、ここで詩織が言った。

「私は疲れていませんから、私も一緒に行きたいです」


 うっ……まさかここで。

 私が詩織に言った。

「いや、昨日持ってきた缶コーヒとかお菓子で、女子会でも開いて……」


 詩織が、寂しそうな表情を浮かべている。

 すると、アノンさんが私に言った。

「あらぁ? 何故かAちゃん(詩織)を、連れて行きたくないみたい」


 ……しまった!

 あの、いかがわしい本が目的である事、バレている?


 な、なんだぁ?

 B子さんもC子さんも、ジトッとした目を向けている!

 まさか、詩織以外、みんな気付いているのか!


 するとCMさんが言った。

「うん、じゃあ、A子さんも一緒に行こう。若い子は体力の回復が早くて、いいなぁ」


 という事で、男3人と詩織を含めた4人で、リャカーを引いて昨日のコンビニへ行った。

 そして、積めるだけの食料を乗せた。

 CMさんと詩織は、乗せた食料を1つ1つ紙に書いている。


 私は、本棚に並んでいるいかがわしい本を横目に、コンビニから外へ出て、建物のまわりを回った。

 すると、建物の後ろに、寂れた小さな物置があった。


 もしかしたら、この中にも食料が眠っているかもしれない。

 しかし、その物置の扉はカギが掛かっている。


「どうしました?」

 後ろからBMさんが声を掛けた。

「この中にも、食料があるかもしれないと思いまして」

「しかし、食品を保管する様な物置には見えませんね」


 カギが掛かっているが、あまり頑丈なカギではない。

「なんとか、開けたいです」

「わかりました」


 2人で、カギを開ける道具を探した。

 コンビニの工具類のコーナーからマイナスドラーバーを拝借し、扉の隙間にドライバーを無理やり入れて物置をこじ開けた。


 物置の中に入っていたもの、それはハシゴや脚立、そして、雪かきのシャベルや、雪下ろしの道具だった。

 ただ、雪かきのシャベルが、大量にある。

 そして、明らかにそれは、売り物ではない。


 それを見た時、私は嫌な予感がした。

 すぐに詩織とCMさんを呼んだ。

 2人は、物置の中を見ながら、無言のままである。


 私たち4人は、コンビニから仕入れた食料をリヤカーに乗せ、住処へ戻った。

 そして、CMさんの家に全員を集め、緊急会議を開いた。


 コンビニの物置に、雪かきのシャベルが大量にあった事を伝えた。

 みんな、深刻な表情を浮かべている。

 そもそも、ここは何処なのか。

 もしかして……ここは豪雪地帯なのか?


 だとすると、この山小屋で、冬を越す事はできない。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 次回:緊急会議

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