第2話

松ヶ花直人まつがはまなおとは18歳だが、高校1年生であった。


直人なおとが通っている私立高校は、遅い子のペースに合わせて授業をする高校でユニークな教育法(…聞こえだけはいい三流以下のクソ)の私立高校である。


直人なおとと同い年の子たちは高校3年生で、大学入試対策など…卒業後の進路の対応に追われていた。


かたや、直人なおとは進学する高校がないまま中学を卒業した。


中卒後、直人なおとは働きに出た。


しかし、職を転々とすることばかりを繰り返していたので長続きしなかった。


仕事が分からない…


ぼくがやりたい仕事じゃない…


直人は、そのようにグダグダと言いつづけてばかりいた。


直人は、1年前に三豊市にある公立高校になんとか入学した。


しかし、3日ボーズで中退した。


今の私立高校に入学したのは鹿之助しかのすけが知人の知人の県議会議員の男性を利用して、そのまた知人のプロボクサーの男(半月前に恐喝事件を起こしてケーサツに逮捕された)の知人のヤクザの親分のコネで入学した。


(当時、私立高校の理事長が女とフリンをしていたことを県外の右翼団体うよくからゆすりたかりを受けていた…プロボクサーの知人の男は県外の右翼団体うよくの親分だった。)


直人なおとが高校へ行くことができるようになった時であった。


奈美は直人なおとに『おじいちゃんね…直人なおとさんの高校の卒業式に新調した紋付きはかまを着てお祝いをすることが夢なのよ…』と言うて圧力をかけた。


それが原因で、直人は生活態度が悪くなった。


義妹いもうと二人は、今お受験モードである…


多香子たかこは、公立の進学校一本だけにしぼって受験対策に乗り出したところであった。


その一方で、なえちゃんは高知県にある超名門の私立学園の幼稚部に合格することを奈美から強要されていた。


直人なおとがいる私立高校は女子部と男子部のふたつに分かれていた。


男子部は、進学コースだけであった。


学校側は『ペースが遅い子でも、全員進学しろ…』と強要していると思う。


直人なおとの気持ちは、『進学』の意味が分からないのでひどくとまどっていた。


さらにその上に、直人なおとは家族との関係が悪化していた。


奈美は、直人なおとの実父(管理職だったがハニートラップに引っかかったことが原因で自殺)が当時部下だった男性の娘・奈美を無理やり犯した事件が原因で実母が自殺した責任を取る形でサイコンしたので直人の義母になった。


奈美は、その時に妊娠していたが、赤ちゃんは流産した。


多香子たかこは、ハニートラップで実父を自殺に追い詰めた男(奈美の元カレ)の子である。


一番下のなえちゃんは、奈美の2へんめのダンナとサイコンした時に義弟おとうとに犯されて妊娠した時にできた子である。


ひさとは、2へんめのダンナが自殺してから数ヶ月後に奈美とサイコンしたダンナである。


家庭は、そうした複雑な事情を抱えていた。


他にも、直人自身かれじしんがダラクをした原因がたくさんあった。


夜更かし、朝寝坊、チコク、ハヤベン…


直人自身かれじしんがそのようになった本当の理由は、なんだろうか?

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