第2話 本当に見た夢の話 空を飛ぶ夢

 夢で見た話を書き残しておこう。私はあるとき、こんな夢を見た。


~・~・~・~・~・~・~・~


 知らない人が私のところに来て、

「こうして両手を横に広げて、鳥が羽ばたくように上下に手を動かすと体が浮いて、空を飛べるんだ」

 そう言って、その人はどこかへ飛んで行ってしまった。


 私も手を広げて上下に動かしてみた。すると、体がふわっとちゅうに浮かんだ。そして手を動かすのをやめると、ゆっくり下りてくる……おもしろい。

 私は何度も試してみた。手を動かし続けると、どんどん高く飛べることがわかった。楽しくて時間を忘れて空を飛んだ。


 一体どこまで高く飛べるのだろう。ちょっと行けるところまで行ってみよう。そう思って羽ばたき続ける。

 もう、下にいる人たちがアリのように小さく見えるほど高いところまできた。空は既に暗くなって星が見えていた。

 この高さまでくると星が近くに見える気がした。満点の星、それは普段、見たことがない美しい光景だった。まさに星が降ってくるような感じだ。

 美しいなあ、星のところまで行けるかなあ……

 そう思い。手を羽ばたかせ、更に空高く昇っていく。どこまで昇ってきただろう。


 ふと自分の右手を見ると山のてっぺんに一軒の家が見える。

 こんなに高いところまで来たのに、それよりも、まだ高い山があったのか……しかも、そこに家がある……

 家の窓から明かりが漏れていた。

 どんな人が住んでいるんだろう?

 ちょっと行ってみよう

 そう思って家の近くに下りた。


 小さな家だった。窓から明かりが漏れていて中が見える。家の中を見ると、小さな女の子がベッドで眠っている。明日の準備をしているのだろうか。ランドセルをきちんと机の上に置いてある。

 私の家にも小学校に通う女の子がいた。

 そうだ……このまま星を目指して飛んでいくのはやめよう。早く子どものところへ帰ってあげよう。


 そう思った瞬間。


 目が覚めた。


 fin

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