疲れていても欲望の前では無に等しい
(相手は警戒している。
結局どの戦場でも警戒してる者ほど厄介なのは無い。…どう出るか)
一旦相手の動き確認する。
無闇矢鱈と突ってきてくれるとありがたいが…
と思いつつも無いな、と確信する。
(刀の血、拭いたい…)
だが四十九が動いたら相手の2体も動く一発触発状態。
しかも相手の力量も分からない、という動こうにも動けない状態が続く。
その状態に痺れを切らしたのか、
試合開始を合図するように赤色ゴブリンのボスと緑色ウルフのボスが前腰になる。
四十九も腰を下げた後左手の5本指を地面につけ右手で刀を持ち逆手にして刃を後ろに向ける。
その最中相手にバレぬように棒状に尖っている木の破片を右袖に隠す。
両者少しの間見つめあった後、ボスゴブリンが最初に仕掛けきた。
ボスゴブリンは右手に持っていた大剣を振りかぶる、その攻撃を避けて威力を確認してすぐボスウルフからクロス上の攻撃が入るがそれも回避する。
それをみていたボスゴブリンが『薙ぎ払い』を使い、
その後ボスウルフが右斜め上から腕を振り下ろす、
そのような状態がかれこれ30分程続いた。
(やばいな、今さっきのボスゴブリンの攻撃で地面が抉れてたぞ…
ボスウルフの攻撃は木等が抉れてたし、本当に始まりの町近く?…)
「だが…お前らは俺には勝てない」
声を低めに、威圧を最大にして放つ。
ちょうど相手は俺を倒せなくて焦っている、
いい刺激になっただろうよ…と思いつつも声には出さない。
(相手にも俺にも余裕はない…次で決める)
刀を持っている手は逆手のまま。
刃の向きも内側のまま。
袖に隠している尖った木の破片はまだある。
体力は残り少なく、
HPは100%ある筈なのに1回食らったらGAME OVER…
「だがな…お前等の弱点は、もう見破った」
その言葉に少し動揺したボスゴブリンとボスウルフのその隙を逃すまいと一瞬にして距離を詰める。
身を屈んで土を拾いボスゴブリンの目にかける、
これでボスゴブリンはほんの一瞬隙を見せた。
その間に…ボスウルフを狩る。
ボスウルフはしまった!というように慌ててクロスをしてくる…が、
そこを下に入って首元の脈を刺す、
自分の内側に向けておいた刀の先を右にずらして肉だけ切りながら抜く。
そうこうしていると復帰してきたボスゴブリンがこちらに走って向かってくる。
全速力で走ってくるボスゴブリンにボスウルフを蹴ってぶつけた、
ボスゴブリンはボスウルフを斬って進むが少しタイムロスをする。
全速力を維持しながら斬る…
出来る人は一握りじゃないだろうか?
タイムロスの間にまた土を掴んで一瞬にして距離を詰め、土をかける。
まぁ勿論2度も効くはずがなく。
そのまま横振りで全て薙ぎ払われた、
その勢いのままボスゴブリンは縦振りをして来る。
縦振りをされる前に大剣の根元がちょうどくる位置に移動し攻撃を流すが血糊で滑って忍者刀が手から離れる。
その行為に自分への決定打を失ったと思ったボスゴブリンは少し油断した、
そこで骨を中心的に発勁する。
ボスゴブリンの様な皮膚の厚いタイプに心臓への直接発勁は効果が薄い、
効果があるとて精々心臓マッサージ位だろう。
心臓マッサージも生きている状態でやれば危ないが数回では終わらせたら意味がない。
そこで骨を中心的に狙う、腕→体→脚の順番で骨にダメージを与えていき、
最後膝の骨を集中的に発勁して相手の体勢を崩す。
相手がしゃがむ…
ここが狙い目、
ここで相手は心臓を隠す。
今一番危ないと思っているのが心臓だからだ。
だが狙うは一点、脈だけだ。
袖に隠しておいた木の破片で勢い付けて脈を貫く…
奥まで刺す。
念の為反撃されぬよう後ろに飛ぶ、
忍者刀を回収した後に手の脈を調べる。
そこで死んでるのを確認し少し気を抜く、
「完全に死んでるでござるな!本当に良かったでござるよ…これでやっと休めるでござるな!そうと決まればいざ!始まりの街へ戻るでござる!」
魔石だけ回収し、死体はそのままにして、始まりの街へと帰る。
「というよりこのゲーム、リザルトが出てこないんでござるな…
上がり具合を見たければ自分で確認しろ!というわけでござるな!という訳で早速『オーダーステータス』!でござる!」
______________
八重乃 四十九 Lv39
【種族】 人間
【職業】 忍者
HP 3900
MP 3900
STR 77
VIT 39
INT 146
MND 146
DEX 146
AGI 423
SP190/114
スキル
投擲Lv1 刀術Lv3 回避Lv5 急所突きLv3
血落としLv2
称号
【忍者を極めんとするもの】
__________________
「おぉ!拙者も随分と強くなったでござるなぁ…
でござるがな?AGI 423はおかしいでござるよ!
はぁ…種族が変わったら本当に大変そうでござるよ…
そして大本命でござろう、スキル!なんともいらなそうなものばかりでござるが…見ていくでござるか!」
そうしてスキル詳細を開く。
__________________
投擲Lv1
投げの技術が一定に達した者
『投げるの好きだねぇ、まっ頑張りなよ〜』
[投げた物のクリティカルダメージアップ(小)]
【投擲レベルを参照して確率アップがアップします】
《補助付けてる人のみ投擲アーツの開放》
『補助機能をつけてる人は補助性能もアップするけど…まぁがんばってねぇ〜』
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「…いやだから(小)とかじゃなくて確率を書いてほしいんでござるよ!なんで(小)なんでござるか!何%か分からなきゃ何もできないんでござるよぉ〜!まぁ次行くでござるか…」
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刀術Lv3
刀の技術が一定に達した者
『おめでと〜!刀使う人ってすぐ剣に逃げるからねぇ…
ここまでこれる人多くないんだよ〜、
まぁ最初にスキルを取る人も居るけどね?』
刀のクリティカルダメージ1.3倍
【刀術スキルに応じてクリティカル率がアップします】
《補助付けてる人のみ刀術アーツの開放》
『補助機能をつけてる人は補助性能もアップするけど…まぁがんばってねぇ〜』
____________________
「?これは〜思いが通じたんでござるか?それとも○術系のスキルだけ書いてそれ以外は面倒で書いていない…的なやつでござるか?」
ちょっと気になって一気に詳細を見た。
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回避Lv5
敵の攻撃を一定回数避けた者
『気を読み取るのら〜!』
《補助付けてる人のみ回避アーツの開放》
[補助を付けてる人のみ危機察知機能追加]
[補助をつけていない人のみ…がんば♪]
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急所突きLv3
敵の急所を一定以上突いた者
『ぐっさぐっさ♪ぐっさぐっさ♪』
[急所へのダメージアップ(小)]
《補助付けてる人のみ急所突きアーツの開放》
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__________________
血落としLv2
一定回数物に付いた血を落とした者
『ゲームと思っていても、血は拭わなきゃ〜♪』
[Lv10になるまで何も無いよ]
__________________
「つまりでござるがこれは刀術を参照にしろというわけでござるか?
というよりコメントがうざいでござる!可愛いけどウザイでござるよ〜!」
頭を掻きながら静かな森の中。
唯一人…忍者の声だけが響いたのであった。
______________________
【あとがき】
心頭滅却…夏とか冬とかに便利そうですよねぇ〜、はちゃめちゃドチャクソ欲しいですね!
………デメリットがなければ、ですけどね!w
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