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 護符は1枚につき1万ルバーか。僕、そんなに手持ちがあったかなぁ。足りなかったらミューリエやタックを頼るしかないけど……。


 僕は苦笑いを浮かべつつ、恐る恐るミューリエに訊ねてみる。


「ミューリエ、どれくらいおカネを持ってる?」


「今は微々たるものだ。だが、私の持っている粒金を売れば数万ルバーにはなるだろう。あとで道具屋へ行ってくる」


「ごめんね、余計な出費をさせちゃって。近いうちに僕もおカネを作るから」


「そうか。ま、あまりカネのことは気にするな。あとでどうとでもなる」


 ミューリエはクスクスと微笑みながら僕の肩を力強く叩いた。


 本当に彼女には迷惑ばかり掛けてしまって申し訳がない。でもおカネの工面なら当てがあるから、近いうちに用意して返そう。タイミングとしては次に大きな町に着いた時が良いかなと思う。


 ――というわけで、僕たちは村長様から話を聞き終えると紹介状を受け取り、村はずれの元・空き家にいるという神父さんのところへ向かうことにしたのだった。


 でもまずは護符の代金を作るために道具屋へ寄らないとね……。



 →86へ

https://kakuyomu.jp/works/16817330652935815684/episodes/16817330652939009868

 

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