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勝手に敷地内に入るのはマズイと思い、僕は門の前から屋敷の様子を窺うことにした。もし誰かが庭の手入れとか散歩とかで外に出てきてくれれば、声をかけるチャンスだってあるに違いない。
するとしばらくして、不意に村の方から何人かの集団がやってくる。プレートメイルや鉄の槍を装備していることから、おそらく村を守る兵士さんたちか自警団の人たちだろう。
全員が男性で、年齢は50歳くらいから20歳くらいと幅広い。そのうち、リーダーらしき人が眉を曇らせながら僕に声をかけてくる。
「キミたちは村長様のお屋敷の前で何をしているのかな? ウロウロしていて怪しいね」
「あ、その、僕たちは村長様に用事がありまして。でも勝手に敷地に入ったらマズイと思ったので、誰かがお屋敷から出てこないかここで待っていたんです」
「本当かな? 信じられないね。最近は村で窃盗事件も発生しているからねぇ」
「僕たちは村で起きているアンデッド騒ぎを解決するために、何か協力できないかと思って村長様に話を聞きに――」
「そんなの余計なお節介だよ! それは私たち自警団の仕事だ。村のことは村の者でなんとかする。余所者の出る幕じゃない」
自警団のリーダーらしき人は額に青筋を立て、シッシッと犬でも追い払うかのように手振りで僕たちをその場から離れさせた。さらにその後も数人のメンバーから監視され続けることになってしまい、居づらくなった僕たちは早々に村から旅立ったのだった。
BAD END 8-9
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