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 勝手に敷地内に入るのはマズイと思い、僕は門の前からしばらく屋敷の様子を窺うことにした。もし誰かが庭の手入れとか散歩とかで外に出てきてくれれば、声をかけるチャンスだってあるに違いない。


 ……でもそんな想いとは裏腹に、どれだけ待っても庭には人がやってこなかった。それどころか気配すら感じられない。


 そもそも屋敷内に人はいるのだろうか? 留守だったら意味がないし、いつまで待てばいいのかも分からない。


「アレスよ、屋敷の前まで行ってみよう。このままでは埒が明かんぞ。時間だって無駄になるだけだ」


「う、うん。そうだね……」


 僕は小さく頷き、外門に手をかけた。



 →105へ

https://kakuyomu.jp/works/16817330652935815684/episodes/16817330652939325227

 

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