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 つまらないことで対立し合うなんて、ふたりは何を考えているんだ? 僕たちは一緒に旅をする仲間同士なのにッ!


 思わず頭に血が上った僕はその場で大声を上げる。


「ミューリエ! タック! もうやめてよっ!」


 僕の怒号が静かな森の中に響き渡った。さすがにミューリエもタックも一時的に言い争いをやめ、目を丸くしてこちらを凝視している。


「ミューリエもタックも僕より年上なのに、なんだか子どもっぽいよ? 気が合わないのかもしれないけど、それならそれでもう少し大人な対応だって出来るでしょ!」


 僕の言葉にふたりとも小さく息を呑み、軽く俯きながら押し黙っていた。その場には草木のさざめきと風の音だけが静かに流れる。


 やがてミューリエが大きく息をつき、柔和な表情を浮かべて口を開く。


「……すまん、アレス。相手がエルフの小僧だと思うと、ついイライラしてしまってな。許してくれ。今後は冷静に対応をする」


「オイラもちょっと意固地になりすぎた。反省する。だから機嫌を直してくれ、アレス」


 ミューリエに続いてタックもそう言うと、ペコッと小さく頭を下げる。どうやらふたりとも僕の気持ちを理解してくれたみたい。


 でも僕自身も少し言いすぎたかなって思うから、それはそれで気をつけないといけないな。


「僕も大声で怒鳴っちゃってゴメンね。じゃ、僕たち三人とも反省したところで気を取り直して先を急ごう」


 その言葉にミューリエとタックは笑顔で頷くと、僕たちはあらためて街道を進んでいくのだった。



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https://kakuyomu.jp/works/16817330652935815684/episodes/16817330652938983633

 

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