BIG LOVE

@yumi259

第1話 幸せをくれてありがとう。

「ごめん、朝ごはん作れなかった…」

凛は悪阻が始まってから朝起きれなくなっていた。 

俺は凛の脂汗の滲んで額についたしっとりと濡れた髪の毛をゆっくり撫でて

「気にしないで。凛の体調の方が大事だからね、ゆっくり寝て休んでね」

と額にキスをした。


いつもだと嬉しそうに笑ってくれるのだが、

「…ありがとう、ごめん…、僕…全然、家の事できてない…」

凛は布団を頭までかぶると、蹲ってしまった。声が微かに震えている。

俺は凛の頭を撫でて

「凛には子供をお腹の中で守って育てるっていう俺にはできない大事な仕事をしてくれてるじゃん」

額にまたキスをした。

「はるちゃん、僕、はるちゃんが僕の夫で、この子のパパで本当によかった…」


凛は泣き出してしまった。

「俺もだよ。ずっと一人だと思っていた人生をこんなにも明るく照らしてくれて、俺に、家族を作ってくれてありがとう。」

ずっと一人で何もないだと思っていた俺の人生を変えてくれたのは凛だった。

凛はいつも俺のことを支えてくれた。今度は、俺が支える番だ。

凛は少しやつれた顔だったが、いつもの笑顔を俺に向けて

「はるちゃん…じゃなくてパパ!今日もお仕事頑張ってね…!」

俺は凛を優しく抱きしめ

「ああ、じゃあパパお仕事行ってくるから、ママといい子にしてるんだぞ!」

と凛のお腹に語りかけた。

凛はくすぐったそうに笑っている。


「「俺(僕)に、幸せをくれてありがとう。」」

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