01章:変わる風景(同じ情景を1人称と3人称で書きます)
01-01話:【恋愛】「失われたもの」と「得られるもの」と(1人称)
夜が
布団から起き上がった私は、窓を開けてバルコニーに出る。地上24階から眺める朝日は
「そろそろ決着をつけないとね」
私は心の中でそう静かに告げると、今、同じ空の下にいるであろう
そうね、もう一年か。私のきまぐれで、私の身勝手で、私のわがままで、すべてを失ってしまった尊い日々。どんなに願っても帰ってくることのない尊い日々。
洗面所に並ぶ2つの歯ブラシ、食器棚にならぶ2つのコップ、二人で一緒に選んだお皿とお茶碗。すべてがすべて私のせいで失ってしまった大切なもの。
でも、それでも、信じて待った一年間。なにかのサプライズだと思って信じて待った1か月、忘れようと必死になった3か月、そして悲嘆にくれた最後の8か月。そんな悲しみや苦しみのすべてが詰まった1年間。でも、思い出の中で
急にベランダに
私は戸棚からゴミ袋を取り出すと、あの人とのすべてを、あの人との思い出のすべてを処理することを決めた。一緒にとった写真、一緒に作った造形物、あの人が好きだったCD、あの人がいつも使っていた歯磨き粉、その他、諸々、すべてのもの。そう、私は、1年前から止まっていた時を、心を、ようやく動かすことを決意したのだ。
しかし、そんな決意と心はうらはらに、私の目から熱い何かが
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