第11話 作戦会議

 「100%に近づける?」


 「ああそうだ」


 100%に近づく方法にそんなに興味があるのか、皆目を輝かせながら俺の言葉を待っている。


 「100%に近づく方法……それは……特訓をすることだ」


 「「「特訓???」」」


 「そうだ。特訓さ」


 俺の言葉を聞くなり、輝いていた目が急に点になり出した。


 なんだ?もしかして魔法とかなんかで一気に強くできるぞ!とか言われると思ってたのか?


 世の中そんなに甘くないぜ。


 「それで……特訓というのは?」


 「特訓の内容ということか?それはだな……カロスと戦ってもらいまーす」


 「「「はぁぁ???」」」


 「え?ちょ?リウス様?それは流石にヤバいのではないですか?」


 「いいのですか?我が主よ!」


 「もちろん!なんせこれが一番手っ取り早く勝つ確率を上げる方法なんだから。これでいいかな。ハブ爺」


 「か、構いませんが、手加減などはしてくださるのでしょうか?」


 「え?ハブ爺も参加するの?」


 申し訳ないけど俺にはキツそうに見えるんだけどなぁ。


 「これでも村長。甘えたことなど言いませんわい!」


 「そ、それは頼もしいね……」


 本当に大丈夫か……?


 「悪いが我は手加減などはしないぞ。だが安心するがいい。殺したりはしない」


 「「「ひひぃぃぃぃ〜〜!!!」」」


 「じゃあ一応決まりということで、だが相手が攻めてくるのは2日後。つまり特訓期間は今日と明日しかない。皆時間を無駄にせず行動するように!」


 「「「はい!!!」」」


 ていうかいつの間にか俺が仕切っちゃってるんだよな。なんか村の偉い人たちは俺とカロスに完全にビビっちゃってるし。


 「私は何をすればよろしいですの?」


 フェイは俺を見上げるようにして、つぶらな瞳で質問してきた。


 フェイ……


 「そんなことしても無駄だ。フェイもカロスコースで」


 「そ、そんなぁ」


 「フッ、我が貴様の面倒を見てやろう」


 フェイはフラフラと立ち上がるとカロスの目の前まで歩いて行った。


 「あら?何かしら?どこからか声が……、あらっ!こんなところに可愛い子犬が!」


 当然子犬というのはカロスのことだ。小さくなってしまったため、今はフェイの方が圧倒的に大きいのだ。


 「よしよし。可愛いですね〜。このまま頭を握り潰してしまおうかしら〜」


 「黙れ。所詮雑魚狼が。貴様にはそこらへんに落ちている骨がちょうどいいレベルだ。可哀想に」


 「あらあら。本当に頭を握りつぶされたいのかしら〜?」


 「なんだ?まさか貴様のような腕で我の頭を潰せると思っているのか?勘違いもほどほどにしたらどうだ?」


 ハアァァァーー……。


 こいつらは仲がいいのか悪いのかどっちなんだ。頼むから殺し合いなんて始めないでくれよ……。


 「あのさ、俺ちょっと行きたい場所あるから俺が行ってる間に殺し合いとか始めるなよ?」


 「ご安心を。ただこいつの首を我の牙で噛みちぎるだけです」

 

 「カロスの言う通りご安心をリウス様。ただ子犬の頭を捻り潰すだけですから」


 「そ、そうか……」


 こいつらにとって殺すってなんなんだ?


 俺はそんなことを胸に覚えながら巨大な扉に手をあて、開いたのだった。


 


 

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