第6話・星の子供達。5
(´・ω・`)ククククッ(誰が転生者かな…。)
合格発表会場の受付で受験番号札を出して出席番号の木札を貰い。
各合格者はそのまま自分の教室に進んだ。
リリーさんはスキップしながら鼻歌で…。
聞いた事無い唄だ。
帝国の歌だろうか?
教室のドアを潜ると…。
多くの合格者は席にも付かずウロウロしている。
「うわー、”IKEMEN”ばかり…。がんばるぞぃ!」
思わず帝国語も飛び出すご機嫌のリリーさん。
教室内を見渡すと…。
黒髪オカッパの男が手を挙げた。
「あ、グラント。」
助祭見習さまだ。
「バリエンテ合格したのか?おめでとう。」
「ありがとうございます。助祭見習さまも合格おめでとうございます。」
「ありがとう…。
「グラントおめでとう!」
「ああ、やっと人生に追いつく事ができるよ…。未だ始まったばかりだが。」
固く握手をして肩を叩きあう。
「ええ、授業もはじまってません。」
始まったのだ。
「そうだね、やっと前に進むことができる。」
やはり一度一度失敗した人は拘りができるのだ。
グラントの拘りは理解できる。
僕は父を埋めた後…。
「あのー。」
リリーさんが尋ねる。
「ああ。ごめん。彼は…。受験会場に行く馬車で知り合った助祭見習いさまのグラントだ。彼女は合格発表の場で意気投合したリリーさん。」
「初めまして、僕はベレース教会に席を置くグラントだ。」
「わたしはリリー・デ・フロンタル。帝国出身の…。没落貴族の名前だけです。よろしくおねがいします。」
多分、帝国式のお辞儀をするリリーさん。
「苗字もってるだけすごいね。」
苦笑する。
「そうだね。」
同じく笑顔の助祭見習さま。
笑顔に雑談に興じる合格者達に。
教室内のざわ‥。ざわ‥。している空気が変わる。
教師の外套を着た男女が入ってきた。
数人で年齢はバラバラだ。
「はい、出席番号順に席に着き給え。」
「「「はい!」」」
席に着くと…。
顔見知りは遠方だ。
リリーさんは近い。
教師達の自己紹介が始まる。
二組の担当教員以外は早々に教室外に出てしまった。
お腹の張ったエルフの教師が記憶に残った。
ソレからは大変だった。
目の回るように学校の決まり、入学に必要な書類の提出と期日。
制服の発注書とサイズ。
必要な購入物…。
教科書に教材。
「どうしよう。破産しそうだ。」
一番下の欄に総合計がある。
「どうした?バリエンテいきなり?」
「いや、入学にお金が掛かり過ぎて判っていたけど借りる金額で押しつぶされそうだ。」
「全部買う必要は無いんじゃないか?」
「え?それ本当です!?」
同じく青い顔していたリリーさんが割り込む。
出席番号順で席はリリーさんと近い。
「ああ、先に入学した友人に聞いた。教本は最新じゃないと改定が追い付いてない。でも選択する教科によって使わない教本もある。選択したらその時買えばいい。」
「全部買わなくていいの?」
りりーさんが食い気味でグラントにせまる。
「近い近い…。お勧めは薄い教本は図書室で写本する事だ。頭に入る。」
なるほど…。薄い教本か…。
「薄い教本…。」
反応が謎のリリーさん。
何か思うところがあるのだろうか?
「で、そこら辺を仲間から聞こうと思って、この後に会う予定なんだが…。来るかい?」
「ぜひ!」
「よろしくおねがいします!!」
入学者説明会が終わり。
校舎を出ると…。
「よう!グラント久しぶり!」
「グラントやっと来たな。」
「グラント遅いぞ…。待ちくたびれた。」
三人の
「ああ、やっと始まったよ。とんだ遠回りだ。」
拳を合わせ会う。
「ほわー、こっちも”IKEMEN”」
リリーさんが呟く。
「ああ。紹介しよう昔、一緒に受験した教会の仲間だ俺だけ落ちた。」
「バルマー、普通科で治癒を選択してる。」
細身で金髪のオカッパでベレース教会の紋章を首から下げている。
「エバール、普通科を卒業して錬金術科に在籍してる。」
少しヨレた魔法ローブを来た赤髪オカッパで顔色が悪い印象だ…。
栄養足りてる?
「 ホランド、ただの普通科だ。」
剣を振るう人独特の体形、広い肩に太い二の腕、青髪で同じくオカッパだが短めだ。
「ビゴーニュ領出身のバリエンテと申します。本日、合格しました。」
「私の名前はリリー・デ・フロンタルといいます。カ・ペー帝国出身です。合格しました。」
「「「おめでとう!」」グラント」
「帝国のお嬢さんと知り合いなんて凄いなグラント。」
「バルマー、合格発表で知り合ったばかりだ。」
「グラント、助祭だってな。」
「エバール、まだ見習いだ。」
「それにしても一番の出世頭だ。」
「ホランド、俺だけ教会に残されて頑張ったから助祭見習になれたんだ。」
「エンテゾンフ町のベレース教会、4羽カラスの復活だな。」
金、赤、青、黒、全てオカッパで普通に教会関係者の髪型だ。
「ああ、やっと揃ったぜ。
「「「まかせろ!」」」
「よし!じゃあさっそく合格祝いだ。」
「エールの美味しい店を知っている。」
「お嬢さん王国式のエールもなかなだぜ。」
「はい!ありがとうございます!!」
店に移動して雑談の中で学園の色々な事が解った。
特に言われたのは「ハイソクラスには係わるな!」だった…。
もう因縁を付けられてるこの身体に…。
忠告は耳が痛かった。
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