昆虫食は富裕層だけのもの

 世界的に昆虫食が定着した

 だが食っているのは金持ちだけ。

 なぜって?べらぼうに値段が高いからな。

 エビ、カニより高いようだ。俺はどちらもしばらく食べていないからわからんけど。

 最初はコオロギだけが食べられていたが、最近ではタガメなどの水生昆虫もだ。

 全てが養殖もの。野生の虫は食べられていない。

 当然莫大な施設の建設費と光熱費がかかるのだから高級食材になるわけだ。

 虫を好んで食べることは富裕層のステータスのようだ。

 俺は金をもらっても食べる気はしないな。

 だいたい美味しいのか?

 そうならば昔から食べていただろうに。

 ナマコやウニを最初に食べようと思った奴はすごい。

 一攫千金を狙って養殖を始める奴が多いようだ。

 より美味しく、大きく。色までも変えてみようとしているらしい。

 もちろん遺伝子操作でな。

 虫の餌を専門にしているところもあるようだ。

 大豆オカラとからしいが、俺としてはオカラを美味しく食べる研究をしてほしいところだ。

 噂によれば官学と企業がうまく輪の中に繋がっているシステムのようだ。

 まあ高くても食べたい奴は食べればいいだろう。好みの問題だ。

 そのうち結果がでるだろう。

 問題が出たとしても官が絡んでいるからうやむやになるだろうが。

 昆虫食専門の飲食店がヒルズに出来たそうだ。

 上階のラウンジスタイルで、和洋中メニューの会員制。

 銀座の同伴前にわざわざ寄るのが富裕層の証なようで。

 付き合うホステスはどう思っているのだろうか。

 俺なら店の近所の寿司にしてくれと言いたくなる。

 庶民用のもあるようだ。 

 富裕層向けの虫の規格外を格安に仕入れているようだ。

 エビを食べれないからエビ煎餅にするような感じだろうか。

 それでもそれなりに高額なので芸能人の差し入れに人気があるそうな。

 インフルエンサー的な役割もあるのだろう。いくら懐に入るのか。

 そのうち庶民用の昆虫食ができるだろうな。

 ゴキブリとかさ。

 そして色付きの養殖ゴキブリが野生化して、各家庭で自給自足になるかも。

 そうか、最終的に食料問題の解決に寄与するのかもしれない。

 さすが我が国は先見の目がある素晴らしい国だ。

 仏壇の壺に手を合わせておこう。

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