天音あすかの物語は『栞』の中で死んだ

わたみ

第零話 プロローグ


 正体不明の小説が大ブレイクした。


 中学2年の春、僕が13歳の頃。


 きっかけは突然投稿されたWEB小説。


 当時はWEB小説なんてマイナーで、物好きの集まりだったののも、が人の目につき始めてからは一瞬だった。


『願いを叶える栞』


 この作品を今じゃ知らない人はいないだろう。


 この作品は所謂いわゆる社会現象となった。


 またたく間に日本中で賞賛されて。

 それは世界的にも称賛された。


 僕は思う。

 アレは傑作だ。

 冗談抜きで世界イチ面白い小説だ。

 ……誰もが、世界中の人々がそう確信できる程に最高の作品だった。


 そんな世界イチ面白い小説、そのはあと少し。


 ても、そんな世界イチ面白い小説は






 未完で終わった。






 の作者が、のだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る