第4話 携帯






路上ライブ

私は花壇に座って基本

自分の今置かれた立場を回想する







人の笑顔を見て幸せな気分に

なるのか、




って

言うと、違う。








私は、どちらかと言うと

捻くれてる。

自分が負の中、楽しそうな日常を

送ってる人達を見ると

羨ましい。





ただ普通に、普通の日常を

過ごしている人達が

私には羨ましかった。






私は常に感情の浮き沈みが

激しい職種だからだ。

客に褒められると、興味ない

おっさんでも、お兄さんでも

嬉しい。


けど、






そう。

例えば、好みの客が来たと

しよう。





私「何でー、こんな場所で

出会ったの。」辛。



客「連絡先交換出来る?」






嬉しいけど、

連絡交換したら、ただのセフレに

なるだけ。

いくら自分の好みの異性に

「今度デートしようよ!!」

「店以外で」!




私「…」






嬉しいのに、あれだ。





心の気持ち

「会うたびお金払わずにHできる

固定女探してるだけだろ、、こいつ。」





こう思う。

だから、店で出会った客なんか

相手の中身がどうであろうと、







この店に来た時点で、まず

客に恋する、

そんなワードは私にはない。






だから私は本当の純粋な恋を

いつかしたいと心に秘める。






そんな事を1曲聴き終わるまで

目線は路上ライブしてる人見てんだけど

思考は、完全考え事。








今の私に話しかけても

反応ないと思う。

思考意識が別世界だもん。









深夜3時4時まで基本公園で

ふらふらしてる。


そして、帰宅するかCLUBに

行くか気分次第






そろそろ、帰ろうかな

寒い冬、ミニスカート履いて

公園で路上ライブ聴きながら

ナンパ待ち思考の自分。




あほすぎる。






けど、この時間がなんか楽しい。







帰宅。


いつものようにテレビ付けて、

ソファーに座る。

そして一服。


チャンネルを変える。

深夜だからネットショッピングくらい。





一服しながら

バックに手を伸ばす。

どのくらい経っただろうか。

感覚で見つけて取り出す携帯。






の、


感覚がない。





私「… … ぇ」


「…








… ぇ?




冷や汗。心臓バクバク。





私「… ⁇えっ⁈」




ソファーで飛び上がる

バックの中を勢いよく

ひっくり返す。









ない。






携帯が…






ない。






ひたすら思い出す。



いつ、どこまで携帯を触ったか

一生懸命思い出す。






私は、リアルに半泣きだ。

涙でてた。あれは。確実に。





とりあえず、冬着込んで

ミニ懐中電灯を握りしめて

慌てて外に出る。





公園から直行帰宅だ。

公園まで10分くらい。

無我夢中で長距離走した。






入口に止まって

花壇まで懐中電灯で足元を照らす。






20分



30分



40分




やっぱり私は半泣きだ。





見知らぬ人

「お姉さんなにしてんの!?」

「大丈夫?笑」



私「携帯無くして…笑」

笑って答える。



見知らぬ人

「交番行った?」





私「… 」

確かに。 ばかすぎる。

すぐそこに交番あるのに。

40分探し回った。

なんて

口が滑っても言えない。








交番に向かう



私「携帯落としたんですけど

ピンクのWILLCOM!」



警察

「あ! 」




あっ、

って嘘でしょーーん。

秒で見つかんの? 40分探して。





警察「どんな特徴?」


私「ピンク、長細い、裏にプリクラ」




テーブルに置かれた

携帯は、紛れもなく私の携帯だった。






警察「住所書いてね〜」

なんか色々書類書いて無事

私の元に帰宅したWILLCOM。





警察「携帯拾って届けてくれた人

いるから、良かったらお礼でも」



携帯に、番号が書かれた付箋。








私は、「もちろん!!」

何て言おう! 

嬉しすぎてお礼をむしろ倍返し

したいくらいあった。







帰宅





明日朝、起きたら連絡しよう。







ー朝ー


起きて、ノートに書き書きした。


「もしもし、 あ、っこんにちは!

昨日携帯を落とした者です」


…「…


みたいに、

電話前に、練習するわたし。






よし、掛けよう…


深呼吸。 

無駄に緊張する。






プルプルプルプルッ 

プルッ

プルプルプルプルッ

プルッ






「もしもし」


私「もしもし」!




昨日…





話しきった。



拾ってくれた人

「昨日ね公園から帰る時拾ってね!」

「無事戻ってきて良かったよ!」




なんて優しい天使様なんだ。





拾ってくれた人

「あの公園よくくるだね!」


私「はいっ」!

「いつかお礼させて下さい!」

冗談ではないけど冗談まじりに言った





拾ってくれた人

「ok!笑」

なら⚪︎日後いるからもし来たら

会ってみよ!笑笑」







ノリとノリの約束。

ノリもあったけど、携帯を

悪用せずに、届けたい人には

ぜひ直接お礼がしたい。と思った。







ー数日後ー


私は仕事終わっていつも公園に

きた。

もし来たらって言われたけど

私は行く気満々だった。





緊張する。

そして電話する。





「…もしもし!」

「公園来たんですけど!笑」


笑っていうと、



拾ってくれた人

「◯◯◯◯の看板の下いるよ!!」





向かう。

冷や汗。

緊張。

ドクンドクン。





そりゃそうだ。 

初対面なので電話でノリよく

話しすぎたせいか

無駄に緊張する。 







◯◯◯◯の看板下に

向かった。












そこはいつも座る花壇だった。






そこに数日前笑ってくれた

太鼓を叩いていた人達がいた。







携帯つなげる。


私「え?」 「◯◯◯◯の看板の下

バンドの人達しかいないよ!!」




拾ってくれた人

「!! 」 「…」⁈が「君?」


目の前で、携帯お互い持って






「… !!⁈」










拾ったのは、君だった。














追伸

振り返ると、もはやドラマすぎる展開の出会いだった実話です



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