床ペロ2
【エリクシル 拠点】
「あのーリベスさん」
深夜帯、アイテム整理だけしようとログインするとクロススピアを整備する彼の姿があった。
返事はないがこちらに顔を向け『なんだ』と薄く笑う。眠いのか少しボーッとしているように見えるが逆にこれはチャンスかもしれない。
「あ、あの……オフ会行きませんか?」
モジモジと恥ずかしながら俺がそう口にすると「リクだろ」と嫌そうに顔を逸らす。
「知ってたんですか?」
「そういうの好きだから。前々から言ってたし」
しばらく沈黙が続き、何か考えているのか天井を見る。はぁ……と溜め息が聞こえた。顔を向けると「四人分か」と小さな声。
スッと立ち上がり「日時が決まり次第連絡くれ。出来るなら少し時間が欲しいんだが……」と嫌だと言いつつ受け入れてくれてるのか彼の優しさが身に染みる。
「嫌じゃないんですか?」
「……あぁ、嫌だな。糞が付くほど。だが、アンタが来るなら俺も行く。正直不安ではあるが
外に出ようと歩き出すも立ち止まり、じっと俺を見つめる彼。フッと鼻で笑い嬉しそうに足早に去っていく。
「おやすみ、ユナ」
久しぶりに名を呼ばれ、体がカーッと熱くなる。恥ずかしさえで何も返せなかったが、あのギスギス感も今は感じない。
コツコツと遠ざかる足音。
今追いかければすぐ追い付くのに、今日はその気になれなかった。
*
数日後――。
講義中。ブブッとバイブが鳴り、コッソリ机の下に隠す。プチエリを開くとリベスからプレゼントが届いていた。
【期間限定コラボカフェ
U~GR装備確定シリアルコード引換券】
*来店時交換
メッセージ一件
『苦戦したがなんとか人数分手に入った。ランダムで欲しいものが出るとは言えないが良かったら受け取ってくれ。
あと、個々にメッセージやプレゼントを送るのが面倒だからグループ作っておいた。あの二人にも送ったから、
メッセージは一件だけで冷たく寂しくも感じたが、『グループ:rRKY』と添付されたリンクにアクセスすると彼の言う通り二人が騒いでいた。
01:リク
『マジか~100枚限定のチョーレア券!!
神だ~さすが元高ランカー』
02:ケイ
『講義中にビックリして席立ったんだけどww 何してくれんだよ、チビ!!』
03:r
『……すまん』
04:ケイ
『っか、いつの間にか集めたんだよ』
05:r
『闘技場で早い者勝ちでポイント交換。けっこう上の人達が居てボロボロにされたけど、アンタらの反応見てなかったことにする』
06:リク
『もしかして、Hにあった?』
07:r
『……あぁ。だが、文句やら何やら頭にキテな。一戦申し込んだ。結果は言わなくても分かるだろ?』
08:リク
『バカ、お前って奴は……』
09:ケイ
『H?』
10:リク
『あー気にすんな。こっちの話だ。ありがとな、リベス』
11:r
『各自運を高めておくように。これで低レアだったら許さないからな』
12:リク
『あー。はい、一旦解散!! ユナも見てんだろ。講義に集中!! 赤点取るなよ』
入ろうとするもタイミングを逃した。
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